米銀行協会(ABA)は10月21日、通貨監督庁(OCC)が同日公表したGENIUS(ジーニアス)法の施行に向けた最終規則について声明を出した。
ABAは、規則には「いくつかの前向きな措置」が含まれると評価する一方、ステーブルコインの利回りをめぐるOCCの判断には同意できないとの立場を示した。
ステーブルコイン規制の枠組みであるGENIUS法は、発行体が保有者に直接利息を支払うことを禁じている。OCCは2026年2月の規則案で、発行体が関連会社や第三者を通じて利回りを提供する取り決めを違法と推定する条項を盛り込んでいたが、最終規則ではこれを削除した。
ABAのRob Nichols(ロブ・ニコルズ)CEOは「発行体は法律上の禁止を形式的に回避しながら、経済的に同等の利回りを提供できるようになる」と指摘し、さらに「預金流出や経済的損害が起きてから対処しようとするのは誤ったアプローチだ。議会が決済用ステーブルコインと従来の銀行預金との間に設けた区別を損なう恐れがある」と批判した。
最終規則は、準備資産による裏付けや償還、リスク管理の基準を定めたもので、GENIUS法とともに2027年1月18日に施行される。
一方、ブロックチェーン協会(BA)は、今回の変更で規則が「法の条文により沿ったものになった」と歓迎した。取引所などが提供するステーブルコイン報酬は、当面は存続できる見通しだ。
ステーブルコインの報酬を巡る問題は、9月に上院の手続き投票で頓挫した暗号資産(仮想通貨)市場構造法案「CLARITY法案(クラリティ法案)」の審議でも主要な争点となっており、銀行業界と暗号資産業界の対立は今後も続く可能性が高い。
日本では、ステーブルコインは資金決済法上の「電子決済手段」と位置づけられ、2025年10月に円建てのJPYCの発行が始まった。3メガバンクも2026年度中の共同発行をめざしており、預金とステーブルコインの線引きは日本でも論点になりうる。
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|文・編集:井上 俊彦
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