ビットコインは「強気相場の一服」か──CryptoQuant最新レポートに見る利益確定と需要鈍化【エックスウィン】

●CryptoQuantの最新Weekly Reportでは、ビットコインは新たな強気相場の初期段階にある一方、短期投資家の利益拡大と利益確定、現物・先物需要の鈍化が確認されている。
●エックスウィンでは、現時点でトレンド転換とは見ていないが、ここからの上昇継続には「価格」よりも新しい現物需要が戻ってくるかが重要だと考えている。

CryptoQuant最新レポート、「強気相場は継続。ただし勢いは鈍化」

CryptoQuantが9月29日に公表した最新Weekly Report「Signs of Profit-Taking」では、現在のビットコイン市場について、強気相場そのものは維持されている一方、直近の上昇には疲れが見え始めているとの分析が示された。

ビットコインは一時8万7,400ドルまで上昇し、約8カ月ぶりの高値を記録した。

365日移動平均線を上回ったことで、CryptoQuantは新たな強気相場入りを確認したとしており、Bitcoin Bull Score Indexも90/100という非常に高い水準にある。

つまり、中長期の市場構造そのものは改善している。

一方、短期的には利益確定が増え始め、さらにビットコインを押し上げてきた需要にも鈍化が見られる。CryptoQuantは、強気相場が終わったというよりも、上昇相場がいったん休息を必要としている状態と分析している。 CQ Weekly Report – Signs of Pro…

筆者が今回のレポートで特に注目しているのも、この「トレンド」と「短期的な需給」の違いである。

ビットコイン:オンチェーン・トレーダー実現価格と損益率

Chart comparing on-chain trader realized price, unrealized profit margin (green) and unrealized loss (red), and price line, over 2025–2026; includes a callout that profit margin is ~33%, the highest since Dec 2024.

まず注目したいのが、短期投資家の利益水準だ。「ビットコイン:オンチェーン・トレーダー実現価格と損益率」を見ると、短期投資家の未実現利益率は約33%まで上昇している。

これは2024年12月以来の高水準だ。価格上昇によって利益を抱えた投資家が増えれば、それだけ市場には利益確定可能なBTCが増える。

実際、9月22日には2万5,700BTCの利益確定が発生した。CryptoQuantによれば、これは2026年で最大の規模となる。

もちろん、利益確定が発生すること自体は悪いことではない。むしろ、上昇相場では自然な現象だ。問題は、そこで出てくる売りを新しい買い手がどれだけ吸収できるかにある。利益確定が増えていても、それを上回る現物需要が入れば価格は上昇を続けることができる。

逆に、買い需要が弱い状態で利益確定だけが増えていけば、短期的には価格調整が起こりやすくなる。そして今回のレポートでは、まさにその「需要」に注意すべき変化が出ている。

ビットコイン:現物・無期限先物の需要成長

Infographic chart of Bitcoin demand: futures vs spot demand (blue bars, gray bars) with price (black line) and total demand (pink line) over 2026, annotated about contracting demand as spot declines.

筆者が今回のレポートの中で最も重要だと考えているのが、「ビットコイン:現物・無期限先物の需要成長(30日累計、BTC数量)」である。CryptoQuantによれば、現物需要は過去30日間で17万BTC縮小している。

さらに、最近の価格上昇を支えてきた投機的な先物需要も大きく鈍化した。9月14日時点ではプラス16万4,000BTCだった需要成長が、足元ではわずかプラス1万6,000BTCまで低下している。

これはかなり重要な変化だ。これまでの上昇局面では、先物市場の需要が価格を押し上げる大きな力になっていた。しかし、その勢いが急速に弱まっている。さらに現物需要もまだ拡大していない。

つまり現在の市場は、

利益を確定したい投資家は増えている。一方で、その売りを吸収する新しい需要の勢いは弱くなっている。

という状態に近い。価格だけを見ると、8万ドル台を維持しているため非常に強い市場に見える。しかしオンチェーンデータを見ると、価格の裏側にある需給には変化が起きている。ここは筆者としても慎重に見たいところだ。

ビットコイン価格と365日・200日移動平均線

Bitcoin price chart showing long-term 365-day (red) and 200-day (blue) moving averages over multiple years (2022–2026). Visualizes price trend with MA lines.

では、仮に調整が起きた場合、どこを見ればいいのか。

CryptoQuantは重要な水準として、

365日移動平均線:約8万ドル
200日移動平均線:約7万1,000ドル
トレーダー実現価格:約6万7,000ドル

を示している。

添付の「ビットコイン価格と365日・200日移動平均線」を見ると、特に8万ドル付近の重要性が分かる。365日移動平均線は、今回ビットコインが新しい強気相場に入ったと判断するうえで重要なラインだった。

そのため、仮にビットコインが8万ドル近辺まで下落したとしても、それだけで「強気相場が終わった」と考えるのは早い。利益確定を消化し、過熱したポジションが整理され、その後に需要が戻るのであれば、むしろ次の上昇のための健全な調整になる可能性もある。

一方、8万ドルを明確に割り込み、需要の回復も見られない場合には、次の7万1,000ドル、さらに6万7,000ドルといった水準を意識する必要が出てくる。

エックスウィンが考える「今のビットコイン」

エックスウィンでは、現在のビットコインを単純に「強気」あるいは「弱気」のどちらか一方で見るべき局面ではないと考えている。大きな市場構造だけを見れば、明らかに以前より改善している。

365日移動平均線を回復し、価格も8万ドル台に乗せ、CryptoQuantのBull Scoreも非常に高い。この点だけを見れば強気相場だ。しかし短期の需給を見ると、状況はもう少し複雑である。投資家の利益率が高くなり、実際に2026年最大規模の利益確定が発生している。

それに対して、現物需要は縮小し、これまで上昇を支えてきた先物需要の伸びも急激に弱くなった。

だからこそ、ここから先で重要なのは、「ビットコインが8万5,000ドルを超えるか」「9万ドルに行くか」といった価格目標だけではない。

むしろ、

誰が次に買うのか。

ここを見る必要がある。

市場ではしばしば、価格が上昇すると「さらに上がる」という期待が強くなる。しかし価格が上昇していることと、需要が増えていることは必ずしも同じではない。

価格が高値圏にあっても、内部で新規需要が弱くなっていれば、少しの利益確定によって値動きが大きくなることがある。

逆に、価格が一時的に下落しても、その局面で現物需要が再び増えれば、市場構造としてはむしろ健全になる場合もある。

そのためエックスウィンでは、今後は価格だけではなく、現物需要の回復、先物需要の再加速、そして8万ドル付近での買い支えをセットで確認していきたいと考えている。

特に重要なのは現物需要だ。短期的には先物市場のレバレッジによって価格が大きく動くことがある。しかし中期的な上昇を持続させるためには、最終的には現物市場に継続的な買い手が必要になる。

今回のCryptoQuantのデータを見る限り、その現物需要はまだ十分に回復していない。これが、現時点で筆者が最も慎重に見ているポイントだ。

強気相場だからこそ、調整にも備える

CryptoQuantは今回の市場について、「強気相場の中での一服」という見方を示している。

ビットコインは新たな強気相場の初期段階にあるものの、利益率の上昇、利益確定の増加、そして需要鈍化によって短期的な調整リスクは高まっている。

エックスウィンとしても、現段階で大きな上昇構造が崩れたとは考えていない。しかし同時に、「強気相場だから価格はそのまま上がり続ける」と考えるのも危険だ。むしろ強気相場の中だからこそ、途中で利益確定やポジション調整が起こることは自然である。

今後の焦点は明確だ。

8万ドル付近を維持できるのか。
そして何より、現物需要が再び増え始めるのか。

この二つを確認しながら、次のビットコイン市場を見ていく必要がある。

ショート動画

ビットコイン強気相場に異変?利益確定と需要鈍化に注意
https://youtube.com/shorts/dqj7MgyzEBQ

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