ビットコイン市場で、これまで弱かった米国投資家の現物需要に変化の兆しが出ている。
注目されているのが、CryptoQuantの「Coinbase Premium Index(Coinbaseプレミアム指数)」だ。添付チャートでは、5月以降長期間にわたりマイナス圏に沈んでいた同指数が、8月末に入りゼロラインを突破し、プラス圏へ浮上している。
CryptoQuant創業者のKi Young Ju氏も、この変化についてXで、
“BTC: Coinbase Premium turned positive, indicating bullish U.S. institutional sentiment.”
と投稿。Coinbaseプレミアムのプラス転換は、米国の機関投資家センチメントが強気方向へ変化している可能性を示すとの見方を示した。実際、最新データでもプレミアムがプラスに転じたことが確認されている。
Coinbaseプレミアムとは何か
Coinbase Premium Indexは、米CoinbaseのBTC/USD価格と、BinanceのBTC/USDT価格の差をパーセンテージで表した指標だ。
Coinbaseの価格がBinanceより高ければプラス、低ければマイナスとなる。Coinbaseは米国の個人投資家だけでなく、機関投資家やUSD建て取引の重要な窓口となっているため、この価格差は「米国勢が世界市場より積極的にビットコインを買っているか」を見る代表的な指標の一つとして利用されている。CryptoQuantも、プラス圏では米国市場の相対的な買い圧力が強く、マイナス圏では米国側の需要が相対的に弱い状態を示すと説明している。
約3か月続いた「米国不在」の相場
今回のプラス転換が重要なのは、その前のマイナス期間が極めて長かったからだ。
Coinbaseプレミアムは5月19日以降マイナス圏が続き、8月16日時点では90日連続、8月23日時点では97日連続の逆プレミアムとなり、過去最長の水準に達していた。
添付チャートを見ると、この構造が非常に分かりやすい。
5月上旬にビットコインが8万ドル近辺まで上昇した時期にはCoinbaseプレミアムも比較的高かった。しかし、その後プレミアムは急速に悪化。5月後半から8月中旬まで大部分が赤、つまりマイナス圏で推移した。
その間、ビットコイン価格も8万ドル近辺から一時6万ドル前後まで下落している。
つまり、2026年前半の調整局面では、米国勢が価格上昇を主導する構造がほぼ失われていたと見ることができる。
今回の上昇で初めて「米国勢」が参加し始めた
ところが8月後半、状況が変わった。
ビットコインは6万ドル台前半から急上昇し、一時8万ドルを突破。添付チャートの右端でもBTC価格は約7万9,500ドルまで上昇している。
さらに重要なのは、その上昇とともにCoinbaseプレミアムが、
マイナス → ゼロ近辺 → プラス
へと急速に改善している点だ。
ここには、今回の上昇相場を考える上で重要な意味がある。
上昇初期はショートスクイーズや海外市場の需要が価格を押し上げた可能性がある一方、その後になって米国の現物需要が追いつき始めた可能性があるからだ。
実際、米国の現物ビットコインETFにも資金が戻っている。CryptoQuantによれば、8月17~21日の5営業日はすべて純流入となり、合計約19.2億ドルが流入した。ETF需要とCoinbaseプレミアムという異なる指標が同時に改善している点は、今回の上昇を単なるデリバティブ主導の反発と見るには無視できない変化だ。
「プラスになった」だけではまだ不十分
ただし、ここで強気相場の再開が確定したと判断するのは早い。
Coinbaseプレミアムは取引所ごとの流動性やUSDTとUSDのわずかな価格差などでも変動するため、数時間あるいは数日のプラスだけで「米国機関投資家が大量に買っている」と断定することはできない。
重要なのはプラス圏を維持できるかだ。
CoinDeskも、過去のビットコイン強気相場では持続的なCoinbaseプレミアムが見られたとしており、現在は8万~8万1,000ドル付近の重要な上値抵抗を突破できるかが焦点になると指摘している。
8万ドル突破より重要な「買い手の変化」
今回のチャートで最も注目すべきなのは、単にビットコインが8万ドル近辺まで戻ったことではない。
「誰が買っているのか」が変わり始めた可能性があることだ。
約100日にわたり弱かったCoinbaseの相対需要がプラスへ転じ、同時に米国現物ETFへの資金流入も回復している。
この状態が数日から数週間継続すれば、今回の上昇は「ショートカバーによる一時的反発」から、米国の現物資金を伴った本格的なトレンド転換へと評価が変わる可能性がある。
反対に、8万ドル近辺で再びプレミアムがマイナスへ沈むなら、米国勢が高値を追っていないことを意味し、再度の調整リスクを警戒する必要がある。
今後のビットコイン市場では価格そのもの以上に、Coinbaseプレミアムがプラス圏に定着するのかが重要な確 認ポイントになりそうだ。
ショート動画
米国マネーが戻ってきた? ビットコイン「Coinbaseプレミアム」がついにプラス転換
https://youtube.com/shorts/oozWy_M9L60


