L1ブロックチェーンHarmony(ハーモニー)で8月12日、ネイティブトークンONEが不正に発行されたとみられる事案が発生した。ハーモニーは公式Xで、取引所と連携して関連資金の移動阻止や凍結を進めていると発表した。
不正発行の規模は確定していない。オンチェーン分析者のJuiceberg氏は、約40億ONEが生成され、うち約28億ONEが取引所へ送られた可能性があると指摘した。一方、BlockWatchdog氏は、不正発行量を約3兆100億ONEと推計している。両者の推計には大きな開きがあり、ハーモニーは総量の確定値を公表していない。
ハーモニーは事案に関連する4つのウォレットアドレスを公開し、取引所に関連資金の凍結を要請した。また、追加の不正発行を防ぐ緊急パッチ「Mainnet Release 2026.1.1」を公式GitHubで公開し、全バリデーターにアップグレードを求めた。公式クロスチェーンブリッジも一時停止した。
パッチでは、必要数の署名がない古いブロックでも検証を通過し得る問題と、処理済みのクロスシャード・レシート(シャード間送金の受け取り証明)の情報を改変して再利用し、残高を重複して付与できる問題が修正された。ただし、ハーモニーは悪用された脆弱性や攻撃手法をまとめた正式な調査結果を公表していない。
ハーモニーは8月12日のその後の発表で、不正発行されたONEが到達した409のウォレットを対象に、計1万288件の送金を追跡したと説明した。数百件の不審な入金を取引所に通知し、取引所側は攻撃者に関連するウォレットをブロックしたという。発表時点で、バリデーターの53%が緊急パッチを適用していた。
すでに不正発行されたONEへの対応について、ハーモニーは同投稿時点で、ロールバックが「最も支持されている実用的な解決策」だと説明した。ただし、実施は決定していない。今後は不正発行量と原因の確定に加え、ロールバックを実施するかどうかが焦点となる。
なお、価格面でも大きな影響が出た。CoinMarketCapの日次データによると、ONEはインシデント発覚前の8月11日終値約0.187円から、発覚後の12日終値約0.129円まで約31.0%下落した。
時価総額も、同期間に約28億1000万円から約19億3800万円へ、約8億7000万円減少した。円換算は12日の同データに反映された(1ドル=約159.35円を基準)。

|文:平木 昌宏
|トップ画像:Harmonyホームページより(キャプチャ)


