米大手銀行Wells Fargo(ウェルズ・ファーゴ)は8月4日、法人・商業顧客向けにトークン化預金を導入すると発表した。独自のブロックチェーン基盤を活用し、今秋から一部の顧客を対象に、米ドルと英ポンド間の取引で限定提供を開始する。2027年を通じて対象顧客、国、対応通貨を順次拡大する計画だ。
トークン化預金は、商業銀行の預金をブロックチェーン上でデジタルに表現する仕組み。民間企業が発行するステーブルコインとは異なり、ウェルズ・ファーゴの銀行預金として規制下の銀行システム内にとどまる。
同社によると、トークン化預金には既存の預金商品と同じ規制上の保護と、預金保険の適格性が適用される。ただし、預金保険の適用は口座や保有主体などの条件によって異なり、米国外の支店や子会社、関連会社に保有する預金はFDIC(米連邦預金保険公社)などの保険対象外となる。
全面展開後は、顧客が口座、子会社、取引相手の間で資金を24時間365日移動・決済できるようにする。将来的には、ウェルズ・ファーゴのスマートコントラクトを使い、あらかじめ設定した条件に基づいて資金を解放する条件付き決済にも対応する予定だ。
システムは既存の銀行サービスに統合され、処理速度やタイミング、柔軟性を改善できる場合に、適格な支払いをトークン化預金経由へ自動的に振り分ける。顧客は、ウェルズ・ファーゴとの既存の取引方法を大きく変更せずに利用できるという。
同社の独自ブロックチェーン基盤は、将来的に自社管理のカストディウォレットや、ブロックチェーン間の接続技術にも対応できる設計となっている。
大手銀行では、JPMorgan(JPモルガン)やCiti(シティ)がすでに機関投資家向けのトークン化預金サービスを展開している。ウェルズ・ファーゴも2019年に行内国際決済サービス「Wells Fargo Digital Cash」の試験計画を発表し、2021年にはHSBCとブロックチェーンを使った外国為替取引の決済を開始するなど、関連技術の開発を続けてきた。
|文・編集:Shoko Galaviz
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