国際決済銀行(BIS)と国際金融協会(IIF)が共同で進める実証プロジェクト「Project Agorá(プロジェクト・アゴラ)」で、中央銀行と民間金融機関がトークン化された資金を使った実価値のクロスボーダー決済を完了した。
取引総額は約80万スイスフラン(約100万ドル:約1億6000万円、1ドル=160円換算))で、トークン化技術を国際銀行間決済に活用できる可能性を示した。
BISによると、実価値テストには中央銀行と民間金融機関を合わせた28機関が参加し、17の取引シナリオを検証した。対象には、企業・銀行間の単一通貨および二通貨決済、銀行グループ内送金、外国為替の決済対決済(PvP)などが含まれた。
テストでは、中央銀行準備預金と商業銀行預金を表すトークンを発行し、実際の金銭価値を伴う取引を処理した。支払い指示の送信から決済完了までの平均時間は約80秒だった。
プロトタイプは各国の即時グロス決済(RTGS)システムや銀行の基幹システムに完全統合されていなかったものの、国際標準規格ISO 20022を使って外部システムと連携した。BISは、異なる法域の既存インフラと相互運用できる可能性が確認されたとしている。
プロジェクト・アゴラは、商業銀行預金を扱う統合台帳と、各法域の中央銀行準備預金を扱う個別台帳を組み合わせた構造を採用する。参加機関は、決済状況や送金経路を開始から完了まで確認できた点も評価した。
外国為替取引では、2通貨を同時に受け渡すアトミック決済を検証した。関連する取引をすべて実行するか、すべて取り消す仕組みにより、一方の通貨だけが決済されるリスクを軽減できる。
BISは今回の成果について、完成した商用システムではなく、トークン化された中央銀行資金と商業銀行預金を用いた国際決済の実用可能性を検証する段階だとしている。
|文・編集:Shoko Galaviz
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