Lido(リド)は7月27日、ステーキング基盤の大型アップグレード「Curated Module v2(CMv2)」のリリースを発表した。
Lidoは、利用者がstETHトークンを通じてイーサリアム(Ethereum)のステーキング報酬を得られる流動性ステーキングプロトコルであり、今回の更新はバリデーターの効率性と分散性を高めることを狙う。ステーカー側に必要な作業はなく、処理はプロトコル階層で完結する。
中核は、イーサリアムのPectraアップグレードで導入された0x02出金クレデンシャルへの対応だ。バリデーター1基あたりの実効残高の上限が32ETHから2048ETHへ引き上げられ、既存の26万5000を超えるバリデーターを統合できるようになる。
Lidoの試算では、統合によってイーサリアム全体のバリデーター数は約88万から約62万8000へと、およそ3分の1減る見込みだ。ただし移行はまだ始まっておらず、これらの数値はLidoの予測にすぎない。
Lido Labs Foundation(リド・ラボ財団)のステーキング責任者、Isidoros Passadis(イシドロス・パサディス)氏はブログ記事で「今回のLido Coreのアップグレードは、2026年におけるLidoのバリデーターセット進化の大きな節目だ。プロトコルのバリデーターの大半を統合することは、混雑の少ないネットワークを目指す上で大きな追い風になる」と述べた。
バリデーターが減れば、コンセンサス層の通信量と処理負荷が軽くなり、ノード運用者の設備要件も下がる。一方で、取引手数料を左右する実行層の処理能力がただちに増えるわけではない。
CMv2はETH建ての保証金(Bond)と罰則の枠組みも導入し、これまで評判に依存してきた運用者の規律を経済的な担保で補う。手数料や実績に応じて資金配分が動く市場型の運用者競争は、2027年初頭の小規模なアップグレードで導入される見通しだとパサディス氏は説明している。
日本では7月に改正金融商品取引法が成立し、暗号資産が金融商品として位置づけられた。国内取引所もETHのステーキングを広げているが、stETHは上場しておらず投資家が直接触れる機会は限られる。もっとも運用コストの低下は、機関投資家向けのステーキング付き商品の設計にも中期的に波及するだろう。
|文・編集:井上 俊彦
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