暗号資産(仮想通貨)取引所大手のKraken(クラーケン)は7月3日、トークン化された株式やETF(上場投資信託)の一部銘柄を、先物取引や証拠金取引の担保として利用できるようにしたと発表した。対象ユーザーは保有するxStocksを売却せずに、そのままレバレッジポジションの担保に充てられる。
当初はSPYx、QQQx、AAPLx、TSLAx、NVDAxなど10銘柄が対象で、指数ETFは掛け目(担保評価の割引率)10%、個別株はおおむね20〜30%が適用され、銘柄ごとに担保上限額も設定される。先物取引の担保は欧州経済領域(EEA)を含む米国外の対象ユーザーが、証拠金取引の担保はEEAを除く米国外の対象ユーザーが利用できる。
xStocksはBacked Assets(JE)Limitedが発行し、実物株式やETFに1対1で裏付けられるトークンだ。Krakenは2025年12月に発行元のBacked Financeを買収し、発行から取引・決済までを一体運営する体制を整えた。
2025年6月の提供開始以来、累計取引高は250億ドル(約4兆円、1ドル=160円換算)を超え、対応銘柄も100種類を上回る。
今回の措置は、トークン化資産を保有・売買の対象から信用取引のインフラへ組み込む動きの一つといえる。Krakenは6月にもMaple(メイプル)と提携して機関投資家向けのウェアハウス型融資枠を立ち上げており、トークン化された現実資産(RWA)を担保や与信の基盤とする流れが業界全体で強まっている。
なお、xStocksはアメリカおよび日本では提供されていない。日本国内でトークン化株式を扱う場合、金融商品取引法上の「電子記録移転権利」等として証券会社の登録が必要となるため、今回のサービス開始の影響が国内に及ぶ可能性は低い。
|文・編集:井上 俊彦
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