● CryptoQuantによると、ビットコインのネットワーク活動は2026年3月以降、長期トレンドを上回る状態が続いており、価格下落とは逆行する動きが見られている。
● 取引件数は過去最高水準に近づいているが、その大半は0.01BTC未満の小口取引であり、RunesやOrdinalsなどのオンチェーンアプリケーション利用が増加している可能性が高い。
● エックスウィンでは、この動きを「価格サイクル」と「利用サイクル」の乖離と捉えており、将来の市場構造変化を考える上で重要なシグナルだと考えている。
ビットコイン市場は現在、弱気相場の真っただ中にあります。2025年10月に過去最高値を更新した後、市場は大きな調整局面に入り、ETF資金流入の減速や高金利環境の長期化、機関投資家需要の鈍化などが重なり、投資家心理は悪化しています。
そのため、多くの市場参加者は価格ばかりに注目しています。
しかし今回CryptoQuantが公表したWeekly Reportは、価格とは異なる非常に興味深い変化がビットコインネットワーク上で起きていることを示しています。
それは、「価格は弱いのにネットワーク利用は急増している」という現象です。

添付チャートのCryptoQuantのNetwork Activity Index(「ビットコイン・ネットワーク活動指数」)は2026年初から上昇を続けており、3月以降は長期トレンドを明確に上回る状態が続いています。
ネットワーク活動はすでに2024年末以来の高水準まで回復しており、過去最高水準まであとわずかという状況です。
通常、ビットコインのネットワーク利用は価格上昇とともに増加します。
価格が上昇する→投資家が増える→取引が増える→ネットワーク活動が活発化する
という流れです。
しかし今回の状況は明らかに異なります。価格は弱気相場にあるにもかかわらず、ネットワーク利用だけが拡大しているのです。
CryptoQuantによると、その最大の理由は取引件数の急増です。
2026年に入り、ビットコインの日次取引件数は80万件近くまで増加し、ブロック当たりの平均取引件数も過去最高水準に近づいています。一見すると非常に強気なデータに見えます。
しかし、さらに詳しく見ると興味深い事実が分かります。増加している取引の大半は、0.01BTC未満の小口取引なのです。現在では全取引の約80%が0.01BTC未満で構成されており、2023年時点の50%未満から大幅に増加しています。

つまり、「大口投資家が大量の資金を動かしている」のではなく、「少額取引が爆発的に増えている」ということです。
では、なぜこのような現象が起きているのでしょうか。
CryptoQuantは主な要因として、
・Runes
・Ordinals
・BRC-20
・データインスクリプションサービス
などを挙げています。これらは従来の「価値の送金」ではなく、ビットコインブロックチェーン上でトークンやデータを記録する新しい利用方法です。
特に注目されているのがOP_RETURNの利用増加です。OP_RETURNとは、ビットコインのブロックチェーンにデータを書き込むための仕組みです。
CryptoQuantによると、この利用件数は2026年に入り過去最高水準近くまで急増しています。これは単なる投資需要ではありません。ブロックチェーンそのものが利用されていることを意味しています。
エックスウィンでは、この変化を非常に重要なシグナルと考えています。なぜなら、ビットコイン市場はこれまで価格主導で成長してきたからです。過去の強気相場では、価格上昇→投機資金流入→利用増加という順番でした。
しかし現在起きているのは、
利用増加
↓
価格は低迷
という逆の現象です。
これはインターネット黎明期にも似ています。ドットコムバブル崩壊後、多くのIT企業の株価は暴落しました。しかしその裏側では、利用者数や通信量は増え続けていました。
その後、その利用拡大が新たな成長の土台となりました。もちろん、今回のネットワーク利用増加がそのままビットコイン価格上昇につながるとは限りません。
実際にCryptoQuantも、現在の活動増加の多くは経済価値の小さいマイクロトランザクションであり、過去の強気相場で見られた大規模な資金移動とは性質が異なると指摘しています。
しかし、それでも重要な意味があります。
現在の市場では、
・ETF資金流入の鈍化
・企業需要の減速
・高金利環境
・機関投資家の慎重姿勢
が価格を押し下げています。
一方で、ビットコインネットワークそのものは利用が拡大しています。これは価格サイクルと利用サイクルが分離し始めている可能性を示しています。エックスウィンでは、今後のビットコイン市場を分析する上で、「価格がどう動くか」だけでなく、「ネットワークがどのように使われているか」を見ることがますます重要になると考えています。
もし今後、
・ETF資金流入の再加速
・ステーブルコイン流動性の回復
・企業によるビットコイン購入再開
・機関投資家需要の回復
が起きれば、現在進行しているネットワーク利用拡大は、次の成長サイクルを支える重要な土台になる可能性があります。
弱気相場の中では悲観的なニュースばかりに目が向きがちです。しかしオンチェーンデータを見ると、価格の裏側では別の成長が進んでいます。今回のCryptoQuantレポートは、ビットコイン市場を価格だけで判断してはいけないことを改めて示していると言えるでしょう。
■ショート動画
ビットコインは終わっていなかった? Crypto Quantが発見
https://youtube.com/shorts/ory6FLFsnY0?feature=share



