トークン化資産市場、2030年に5.5兆ドル規模=シティ

金融大手Citi(シティ)の調査部門Citi Institute(シティ・インスティチュート)は6月1日に公開した報告書「Tokenization 2030」で、トークン化された金融資産の市場規模が2030年までに基本シナリオで5兆5000億ドル(約880兆円、1ドル=160円換算)に達すると予測した。

現在の世界のトークン化資産市場は約170億ドル(約2兆7000億円)規模で、普及の速さ次第で弱気2兆7000億ドル(約432兆円)〜強気8兆2000億ドル(約1312兆円)の幅があるとした。

牽引役と位置づけるのは、米国株や米国債といった公開市場の証券だ。24時間アクセスを求めるデジタルネイティブな若い個人投資家が増えるのに伴い、株式・債券・商品などがオンチェーン(ブロックチェーン上)へ移行する可能性があるとみる。

仮に2030年までにアメリカの個人投資家の10%がオンチェーンの仕組みを利用すれば、トークン化された株式への需要は約2兆6000億ドル(約416兆円)に達する可能性があるとした。

制度面では、DTCC(証券保管振替機関)、NYSE(ニューヨーク証券取引所)、Nasdaq(ナスダック)といった主要な市場インフラ事業者が、トークン化を中核プラットフォームに統合し始めていると指摘する。

決済基盤となる規制対応のステーブルコインも、2030年に1兆9000億ドル(約304兆円)規模へ成長するとみている。

もっとも、シティは、移行は段階的に進むと見ている。トークン化システムと従来システムが並行稼働する「混乱した」期間があると予想しており、革命ではなく漸進的な進化であり、両者をつなぐ相互運用性が拡大の鍵になると結論づけた。

|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock

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