● 今週のビットコインは、米国株がAI関連株主導で高値圏を維持する一方、AI大型IPOへの資金シフト観測も意識され、ストラテジー[MSTR]の一部売却判明も重なってBTC=62,000ドル(約992万円)付近まで急落した。
●来週のビットコインは、米国株市場の高値警戒感やAI関連の大型IPOを巡る資金需要が重石となる中、米消費者物価指数(CPI)や中東情勢次第で下げが加速し、下値を試す展開が予想される。直近の価格レンジとして、上値はBTC=70,000ドル(約1120万円)、下値はBTC=58,000ドル(約928万円)を意識する。
今週(5月29日~6月4日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):AI資金シフトとストラテジー売却で急落
ビットコインは、米国株がAI関連株主導で高値圏を維持する一方、AI大型IPOへの資金シフト観測も意識され、ストラテジー[MSTR]の一部売却判明も重なって大幅に下落した。
週前半は、AI半導体ブームを背景にS&P500とナスダック総合指数が高値更新を続ける中、ビットコインも一定の底堅さを保っていた。もっとも、米ビットコイン現物ETFからの資金流出が続くなど、需給面では次第に上値の重さが意識されていた。
その後、世界最大のビットコイン保有企業であるストラテジーが保有分を一部売却していたことが明らかになると、投資家心理は急速に悪化した。売却規模自体は限定的だったものの、同社の「売らない」姿勢が揺らいだとの受け止めが広がり、BTC=70,000ドル(約1120万円)を割り込んだ。
さらに、アンソロピックやスペースXといったAI関連の大型IPOに関する報道が相次いだことで、暗号資産市場ではAI関連投資に向けて手元資金を確保する動きが意識された。こうした資金シフト懸念に加え、先物市場におけるロングポジションの清算も進み、ビットコインは下げ足を速めた。
週後半には、米イランの軍事的対立が再び意識され、原油価格や米金利が上昇したこともリスクオフを強めた。米国株の上昇基調も一服する中、ビットコインはリスク資産として売られ、6月4日には一時BTC=62,000ドル(約992万円)付近まで急落した。

来週(6月5日~6月11日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米株高値警戒と企業保有BTCの売却懸念で下値を試す展開か
来週のビットコインは、米国株市場の高値警戒感やAI関連の大型IPOを巡る資金需要が重石となる中、米CPIや中東情勢次第で下げが加速し、下値を試す展開が予想される。
まず、AI関連の大型IPOや新規投資案件への関心は引き続き高く、こうした資金需要を背景に、流動性の高いビットコインから資金が一部引き揚げられる可能性がある。加えて、米国株の高値警戒感が残る中、5月米CPIが市場予想を上回れば、利上げ観測が強まり、米金利上昇を通じてビットコインにも売り圧力が及ぶだろう。
次に、米イラン情勢にも注意が必要だ。米国の仲介でイスラエルとレバノンが停戦合意に至る動きはあるものの、米国とイランの協議はなお不安定である。双方の攻撃が激化すれば、原油高とインフレ懸念を通じて金融市場全体でリスクオフが強まり、ビットコインにも売りが広がる可能性がある。軍事行動が抑制されても、具体的な協議進展が見られなければ、相場の反発は限定的となるだろう。
また、企業によるビットコイン売却の動きにも警戒したい。ビットコイン保有企業による売却が相次げば、需給悪化への懸念から投資家心理は一段と悪化しやすい。反対に、ストラテジーが下落局面で買い戻しや追加購入の姿勢を示せば、過度な不安は後退し、下支え材料となるだろう。
このように、当面は悪材料が重なりやすく、下方向への圧力が意識される局面とみる。ただ、ベッセント財務長官がCLARITY法案の早期成立を求めるなど、規制整備の進展期待は残っている。価格下落局面では値頃感から買い増しを進める層も想定され、規制整備に伴う企業参入が続く限り、下値は一定程度支えられよう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=70,000ドル(約1120万円)、下値はBTC=58,000ドル(約928万円)を意識する。



