Tiger Research(タイガー・リサーチ)は、アメリカ証券取引委員会(SEC)が第三者によるトークン化株式の上場を許可する動きが、流動性と収益という2つの構造的な断片化リスクを引き起こす可能性があるとXで指摘した。
SECは5月18日、発行体の承認なしに第三者がアップルやテスラなどの上場株式をトークン化して提供できる「イノベーション免除(innovation exemption)」枠組みを近く発表すると報じられている。
タイガー・リサーチのディレクター兼調査責任者のRyan Yoon(ライアン・ユン)氏は22日、第三者が同じ上場株式を複数のブロックチェーンや分散型プラットフォームでトークン化すると、本来はニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック(Nasdaq)など単一の取引所に集中すべき取引高や注文フローが分散し、流動性の断片化が起きるとし、「プラットフォーム間で価格差が生じ、大口注文のスリッページが拡大し、市場効率が低下する」と警告した。
さらに収益面でも、複数プラットフォームでの分散取引により、本来は国内取引所に帰属すべき手数料収益が海外に流出し、国の金融競争力に直接的な影響を及ぼすと分析する。実際にHyperliquid(ハイパーリキッド)上のRWA(現実資産)建玉は今週、過去最高の26億ドル(約4160億円、1ドル=160円換算)に達しており、資本の断片化はすでに進行中だ。
一方、トークン化株式には決済の高速化、端株保有、取引コスト低減、24時間取引、外国投資家による米国株へのアクセスといった実利的なメリットもある。
|文・編集:井上俊彦
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