● ファンディングレートは極端なマイナス圏に到達し、「下がる」と考えるショートポジションが市場全体で優勢
● オープンインタレスト(OI)は増加しており、未決済ポジション=市場の“賭け”が積み上がっている状態
● ショートが過剰に積み上がる構造は、上昇時の買い戻しを誘発し、ショートスクイーズの燃料となる可能性
足元のビットコイン市場では、「下がる」と考えている人が大きく増えています。その状況は、デリバティブ市場の指標を見ると非常に分かりやすく表れています。
まずファンディングレートとは、簡単に言うと「上がると思っている人」と「下がると思っている人」のどちらが多いかを示す指標です。ここでいうロングとは「価格が上がると利益が出るポジション」、ショートとは「価格が下がると利益が出るポジション」のことを指します。
ファンディングレートがプラスならロングが多く、マイナスならショートが多い状態です。さらに重要なのは、マイナスのときはショートの人がコストを払ってポジションを維持しているという点です。つまり現在は、「お金を払ってでも下がると賭けている人が多い」状態にあります。
Crypto Quantの認定アナリストのG a a h氏によると、実際に足元では、このファンディングレートが過去と比較してもかなり深いマイナス水準に達しています。これは単なる弱気ではなく、「強い弱気の確信」がポジションとして積み上がっている状態です。
一方で、オープンインタレスト(OI)は増加しています。OIとは「まだ決済されていない取引の量」、つまり「今まさに勝負中のポジションがどれくらいあるか」を示す指標です。ロングとショートが成立すると1つのポジションが生まれ、それが決済されるまでOIとしてカウントされ続けます。
そのためOIが増えているということは、「市場における賭けがどんどん積み上がっている状態」を意味します。ここで重要なのは、その中身です。通常、OIの増加はトレンドの強まりを示しますが、今回はファンディングがマイナスであることから、積み上がっているのは主にショートポジションだと考えられます。
つまり現在の市場は、「下げに賭けるポジションが増え続けている」という構造になっています。この状況は一見すると弱気ですが、マーケットの構造としては非常に重要なポイントを含んでいます。なぜなら、ショートポジションは価格が上がると損失が出るため、どこかで買い戻しをしなければならないからです。
特に、これだけショートが積み上がっている状態では、小さな上昇でもその買い戻しが連鎖しやすくなります。これがショートスクイーズであり、短期間で価格が大きく上昇する要因となります。過去を見ても、ファンディングレートが極端なマイナスとなった局面は、下落の継続ではなく、その後の急騰の起点となるケースが多く確認されています。
ただし重要なのは、これがすぐに強い上昇トレンドに入ることを意味するわけではない点です。あくまで「下げに賭けたポジションが過剰に積み上がっている状態」であり、その解消過程でボラティリティが高まりやすいという理解が適切です。
結論として、現在の市場は「悲観が極端に強い局面」であると同時に、「反発のエネルギーが蓄積されている局面」です。
今後の焦点は、①現物の買いが入るか(ETFや取引所フロー)、②ファンディングレートが正常化するか、③OIの中身がショートからロングへ転換するか、この3点です。
市場は常に、偏りすぎたポジションを修正しようと動きます。今はまさに、その“歪み”が大きくなっている状態であり、次の大きな動きに向けた準備段階にあると言えます。
ショート動画
ビットコイン、下がると思われすぎ?今の市場【エックスウィン / ビットコインリサーチ】
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ビットコインチャート解説|ショートが溜まると何が起きる?【エックスウィン / ビットコインリサーチ】
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オンチェーン指標の見方
①ファンディングレート:先物市場におけるロング(上昇予想)とショート(下落予想)のバランスを示す指標です。プラスであればロング優勢、マイナスであればショート優勢を意味します。特に極端なマイナスは、「下がると考える参加者が過剰に増えている状態」を示します。このような局面では、上昇時にショートの買い戻しが連鎖し、価格が大きく動く可能性があります。

②オープンインタレスト(OI):まだ決済されていないポジションの総量を示す指標です。市場にどれだけの“勝負中のポジション”が存在するかを表しています。OIが増加するほど、レバレッジを含めたポジションが積み上がっている状態です。ただし重要なのはその中身で、ファンディングと組み合わせることで、ロング主体かショート主体かを読み解くことができます。



