・ビットコイン(BTC)は4月に入って初めて一時7万8000ドルを突破し、ショートでレバレッジをかけていたトレーダーに対する1億6800万ドル規模の踏み上げが追い風となった。
・ETF(への流入額は19億ドルを超えており、地政学的な不安定さが続く中でも、機関投資家による継続的な買い集めを示している。
・予測市場では8万ドル超えへの強い確信が見られる一方、それより上の水準については強気と弱気が拮抗している。
ビットコイン、ショート清算とFRBのタカ派姿勢の中で7万8000ドルを突破
ビットコインは4月中旬、日中高値で7万8343ドル近辺まで上昇し、2月上旬以来の高値を付けた。米国とイランの緊張激化を背景に続いていた長い持ち合い相場を上抜けた形だ。
この値動きは、S&P500が2営業日連続で下落した局面と重なった。今週はデジタル資産と伝統的な市場の値動きの違いが鮮明になっている。

J.D.ヴァンス米副大統領が、パキスタンのイスラマバードで予定されていた追加協議に向けた訪問を取りやめたことで停戦協議は停滞した。また、上院での手続きの場でケビン・ウォーシュ氏がタカ派的な姿勢を示したことも、市場関係者を警戒させた。ポリマーケット(Polymarket)では、2026年に0.25ポイントの利下げが行われる確率が30%となり、過去24時間で7ポイント上昇した。
こうした出来事の波及もあり、火曜日のビットコインは3%上昇した。加えて、7万8000ドル付近に集中していたショートポジションの清算も上昇を後押しした。

Coinglassのリアルタイムデータによると、24時間の総清算額は2億1200万ドルで、このうち1億6870万ドルがショートポジションによるものだった。これは、週前半に何度も価格上昇を阻んでいた7万8000ドルのレジスタンス付近で、典型的な踏み上げが起きたことを裏付けている。
同時に、BTC先物の未決済建玉は6%増加し、3%の価格上昇率を上回った。こうしたレバレッジを伴う建玉の積み上がりは、さらなる上昇を見込んでポジションを維持する動きを示している。
ビットコインETFへの4月流入額は20億ドル目前、投資家は停戦協議を巡る変動を押し目買いに活用
米機関投資家の最近の売買動向は、デリバティブ市場で見られる押し目買いと保有継続の姿勢と一致している。1月と2月に合計18億ドル超の流出を記録した後、市場は3月に転じ、13億2000万ドルの流入となった。その勢いは4月にも続いており、Farside Investorsのデータによれば、4月21日時点の純流入額は19億ドルを超えた。

特に、4月の流入額のうち約15億ドルが、4月13日から始まった6日間の連続流入に集中していた点は注目される。これは、イスラマバードで行われた米国とイラン当局者による初期の停戦協議が決裂した後の動きであり、米国のBTC ETF投資家が地政学リスクによる下落を戦略的な買い場として活用していることを示している。
ETF需要の継続に加え、過去1週間のストラテジー(Strategy)による大口のBTC購入も、ビットコイン価格の下支え要因となった。これにより、マクロ要因による調整局面でも売り圧力が吸収されやすくなった。
ビットコイン価格予測:予測市場は8万ドル方向に傾くも、その先では強気と弱気が拮抗
ビットコインの予測市場データは、水曜日時点で短期的に慎重ながらも強気寄りのセンチメントへ移行していることを示している。ビットコインが7万8000ドルのレジスタンス帯を上抜けた後、トレーダーはさらなる上昇に賭ける姿勢を強めており、月末までに8万ドルを上回る確率は67%と見積もられている。

もっとも、短期的な不透明感はなお残る。トレーダーは次の有力な動きとして8万ドルを試す展開を見込んでいる一方、その先については上昇リスクと下落リスクがほぼ同程度に織り込まれている。ビットコインが8万5000ドルを回復する確率と、7万ドル割れまで反落する確率は、ともに14%で並んでいる。
下値については、6万5000ドルを再び試す確率はわずか5%とされている。調整リスクそのものは残っているものの、現時点ではそれがメインシナリオとは見なされていない。


