● Warsh公聴会で示されたのは「市場に出回るお金の量を減らす」引き締め政策であり、金利だけでなく流動性そのものが減少する点が重要
● 長期金利上昇やドル流動性の縮小はビットコインにとって短期的な逆風となりやすい
● 一方で長期保有者は売却を抑えており、供給減少が進行。市場は「マクロ弱気・需給強気」の状態
FRB議長候補であるKevin Warshの公聴会が開かれ、市場は今後の金融政策の方向性に強い関心を寄せている。これまで市場は「利上げか利下げか」という分かりやすい軸で金融政策を見てきたが、今回の議論はそれより一段深いレイヤーにある。注目すべきは「バランスシート縮小を軸とした構造的引き締め」という考え方だ。これは単なる政策変更ではなく、金融市場の土台そのものに影響を与える可能性があるため、今後の資産価格を考える上で極めて重要なテーマとなっている。
この「構造的引き締め」をシンプルに説明すると、「市場に出回っているお金の量を減らす」ということになる。FRBはこれまで国債などを買うことで市場に資金を供給し、景気や市場を支えてきた。しかしWarshは、その規模が大きくなりすぎていると考えており、これを徐々に縮小することで金融環境を正常化しようとしている。つまり、金利という“価格”だけでなく、お金の“量”そのものを減らすことで市場を引き締めるというアプローチだ。
Warshの政策が興味深いのは、これが単純な「タカ派(引き締め)」ではない点にある。彼は一方で、経済環境によっては短期金利を引き下げる余地もあると考えている。そのため、短期的には金利が下がる可能性がある一方で、長期的には市場から資金が抜けていくという、やや複雑な状況が生まれる。この結果、短期金利は低下しつつも長期金利は上昇しやすくなり、市場全体の資金はむしろ引き締まるという「ねじれた環境」が形成される可能性がある。
この環境はビットコインにとって重要な意味を持つ。一般的にビットコインや株式などのリスク資産は、市場に資金が増えると上昇しやすく、逆に資金が減ると上昇しにくくなる。つまりWarshの政策は、短期的にはビットコインの上値を抑える方向に働きやすい。特に長期金利の上昇やドル高が進めば、資金はより安全とされる資産に向かいやすくなり、暗号資産市場には逆風となる可能性が高い。
しかし、ここでオンチェーンデータを見ると、少し違った景色が見えてくる。価格だけを見ていると分かりにくいが、ブロックチェーン上では「誰が売っているのか」「誰が保有しているのか」という情報が確認できる。その中で重要なのが、長期保有者(LTH)の行動を示すSOPRという指標だ。
現在、このLTH-SOPRは1.0付近で推移している。これは長期保有者が利益を確定するための売却をあまり行っていない状態を意味する。言い換えれば、「利益が出ていても売らない人が多い」という状況だ。過去のサイクルを見ても、この状態は市場に出てくるビットコインの量が減少し、供給が抑えられている局面と一致することが多い。
ここで重要なのは、マクロ環境と需給の方向が一致していない点である。通常、金融環境が悪化すれば売りが増えるが、今回はそうなっていない。むしろ長期保有者は売却を控え、供給を市場に出さない選択をしている。その結果、「お金は減っているが、売りも減っている」という、これまでとは異なるバランスが生まれている。
このような環境では、短期的には価格は動きにくく、レンジや調整が続きやすい。しかし一方で、供給が制限されているため、新たな資金が流入した場合には価格が大きく動きやすい。特にETFなどを通じた機関資金が再び流入すれば、売りが少ない分、上昇スピードが加速する可能性がある。
中期的に見ると、Warshが目指す「低インフレで安定した金融環境」や「明確なルールに基づく政策運営」が実現すれば、ビットコインの位置付けも変わってくる。これまでのような投機的資産ではなく、より制度化された資産として評価される可能性がある。ただしその場合の上昇は、過去のような流動性頼みの急騰ではなく、需要に裏付けられた持続的なものになるだろう。
結論として、現在のビットコイン市場は「外部環境は弱いが、中身は強い」という状態にある。短期的には我慢の時間が続く可能性があるが、供給が限られている以上、資金が戻ってきたときの価格上昇余地は大きい。今はその“静かな準備期間”に入っていると考えるのが妥当だろう。
ショート動画
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オンチェーン指標の見方
長期保有者(LTH)のSOPRは、長期間ビットコインを保有している投資家が、利益で売っているのか損失で売っているのかを示す指標です。数値が1.0を上回ると利益確定売りが多く、1.0を下回ると損失での売却が増えていることを意味します。1.0付近で推移する場合は、売り圧が落ち着き、保有を続ける投資家が多い状態を示します。そのため、LTH-SOPRは市場の底打ちやトレンド転換のタイミングを判断する重要な手がかりとなります。

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