4月のビットコイン相場は、中東情勢を主軸とした地政学リスクに左右される展開となっている。
月初はホルムズ海峡を巡る緊張と停戦期待が交錯し、原油価格や米金利の変動を通じてリスクセンチメントが揺れ動いた。1日から3日にかけては原油高と米金利上昇を背景に1060万円台まで下押しする場面があった一方、停戦期待や株高が確認される場面では1090万円台まで切り返すなど、方向感に欠ける推移が続いた。
転機となったのは、米国とイランの停戦を巡る進展である。6日には米国による対イラン攻撃期限の延期や停戦調整進展の可能性が報じられ、相場の下支え要因として機能したものの、価格のトレンド転換には至らなかった。こうした中、7日には米国とイランが停戦で合意し、これが相場の明確なターニングポイントとなり、BTCは1100万円台前半から一時1150万円台まで急伸した。
停戦合意を受けた上昇の後も、局地的な衝突が続くなど不透明感は残り、相場は1160万円台で上げ渋る展開となったが、押し目では買いが入りやすく、上昇トレンドは維持された。
中旬にかけては、和平交渉の期待と失望が交錯し、相場は再び上下に振れる展開となった。12日にかけては米国とイランの和平交渉決裂や、米国によるホルムズ海峡封鎖を受けて1120万円台まで下押しする場面があったが、その後は交渉再開期待の浮上により切り返し、下値では買いが入りやすい構造が確認された。
さらに14日以降、交渉再開観測を背景に相場は上昇基調を強め、一時1200万円台に乗せたものの、同水準ではテクニカル的な上値抵抗も重なり、1180万円台まで押し戻されるなど明確なブレイクには至らず、高値圏での揉み合いに移行している。

足元では地政学リスクの緩和期待が下支えとなる一方、決定打に欠けることから上値も抑えられ、BTCは高値圏で方向感を模索する局面にある。
目先のBTC相場は、中東情勢を主軸としつつ、マクロおよび規制動向が重なり合う形で方向感を探る展開となろう。まずテクニカル面では、相場は3月高値圏に差し掛かっており、重要な分岐点にある。この水準を明確に上抜けることができれば、次の節目となる8万ドル(約1275万円)の回復が視野に入り、中期的には年初からの下げ幅を埋める動きに繋がる可能性がある。
もっとも、ブレイクアウトの可否は引き続き中東情勢に大きく依存しよう。足元では米国とイランの停戦に加え、イスラエルとレバノンの停戦も成立しており、全体として緊張は緩和方向にある。今後、第2回目の米・イランの和平交渉の日程が具体化、あるいは核開発を巡る合意に至るようであれば、リスク選好の回復を通じてBTCの上放れに繋がる公算が大きい。
一方で、マクロ面では原油価格の動向を通じたインフレ再燃リスクに留意が必要だ。原油価格の高騰が是正されなければ、米金利の上昇圧力が強まり、BTCの上値を抑制する可能性がある。こうしたなか、21日に予定されているウォーシュ次期FRB議長の議会証言は重要イベントとなる。同氏のスタンスがタカ派的と受け止められれば政策金利の据え置き長期化観測が強まり、逆にハト派的なトーンが示されればリスク資産の支援材料となろう。
加えて、規制面では米国の暗号資産市場構造法案(クラリティ法案)の動向も注視される。4月中の上院銀行委員会でのマークアップが一つの目安とされており、これに漕ぎ付けることができれば、制度整備進展への期待から相場の押し上げ要因となる可能性がある。もっとも、進展が遅れれば年内成立へのハードルが高まるとの見方もあり、結果次第では失望感につながるリスクにも留意したい。
総じて、当面のBTCは地政学リスクの後退を背景としたリスク選好の回復が意識される一方で、インフレや金利動向を巡る不透明感も燻る状況にある。こうしたなか、中東情勢の進展やウォーシュ氏の議会証言の結果次第では、市場のセンチメントが大きく変化し、相場が動意付く可能性もある点には留意したい。
|文:長谷川友哉/bitbankマーケット・アナリスト
|編集:NADA NEWS編集部
|トップ画像:Shutterstock
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