ブロックチェーン分析企業のChainalysis(チェイナリシス)は10月5日、中国でステーブルコインの個人間送金に使われた送金元ウォレット数が、2024年第1四半期から2026年第2四半期に43倍に増えたと発表した。
中国では、暗号資産(仮想通貨)サービスへの厳しい規制が続くなか、取引所を介さない送金が拡大している。
2025年7月〜2026年6月の中国の暗号資産活動では、国内の個人間取引が全体の59.1%を占めたという。同社は、この割合が前の調査期間と比べて3.5倍に拡大したと報告した。
チェイナリシスは、中国の暗号資産活動では、取引所への入出金よりも利用者間の資金移動が中心になっていると分析した。
一方、中国当局は暗号資産への厳しい規制を維持している。中国人民銀行(PBOC)など8当局は2月6日、従来の暗号資産規制を改めて確認した。人民元連動ステーブルコインについても、国内外の組織や個人による無許可の国外発行を禁じるなど、規制対象を明確化している。
チェイナリシスは、個人や企業の信用情報を行政管理などに活用する中国の「社会信用制度」に着目した。同社によると、制度の対象が金融やインターネット分野へ広がった2025年3月ごろに、国内のステーブルコイン送金も増加に転じたという。

同社は、制度の拡張によって従来の金融サービスを使いにくくなった人が、代わりの送金手段を求めた可能性を指摘した。また、金融機関を通じた監視を避けるために、ステーブルコインを選んだ利用者がいる可能性も挙げている。
中国では、利用者が自ら管理するステーブルコインの年間送金額が、平均保有額の33.2倍に達した。保有額に対してどれだけ送金されたかを表す「回転率」は、世界平均の年9.3回を大きく上回った。
チェイナリシスは、この高い回転率が、ステーブルコインを保有するだけでなく、支払いなどに繰り返し使う動きと整合すると説明した。
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|文:平木 昌宏
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