BTC(ビットコイン)はFOMC前に底堅い展開か、米企業決算と中東情勢次第では一段安も【マネックス証券】

● 今週のビットコインは、米国による対イラン攻撃への懸念後退などを背景にBTC=80,000ドル(約1264万円)台から84,000ドル(約1327万円)台まで上昇したものの、その後は米消費者物価指数(CPI)の上振れを契機に米国株とともに下落し、上昇分をほぼ打ち消す展開となった。

● 来週のビットコインは、米FOMC(米連邦公開市場委員会)を控えた様子見姿勢から底堅く推移する一方、米企業決算や米イラン情勢次第では米国株とともに下値を試す展開も予想される。直近の価格レンジとして、上値はBTC=85,000ドル(約1343万円)、下値はBTC=78,000ドル(約1232万円)を意識する。

今週(10月9日~10月15日)の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):中東情勢の緩和期待で上昇も、CPI上振れで上げを打ち消す

ビットコインは、米国による対イラン攻撃への懸念後退などを背景にBTC=80,000ドル(約1264万円)台から84,000ドル(約1327万円)台まで上昇したものの、その後は米CPIの上振れを契機に米国株とともに下落し、上昇分をほぼ打ち消す展開となった。

週初は、トランプ米大統領が中間選挙前にはイランを攻撃しない方針を示したことで、米国とイランの軍事衝突リスクが和らいだ。こうしたなか、原油価格や米長期金利の上昇が一服し、ビットコインは買い戻しが優勢となった。さらに、ロシア・ウクライナのエネルギー施設への攻撃停止を巡る期待も加わり、一時BTC=84,000ドル(約1327万円)台まで値を伸ばした。

しかし、その後はイランが支援するイエメンの武装組織フーシ派がサウジアラビアの首都リヤドにある国際空港を相次いで攻撃。中東情勢の緊張が再び強まり、原油価格が上昇すると、ビットコインは反落した。ストラテジー[MSTR]による4週連続のビットコイン追加購入に加え、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が2027年には追加利上げは必要ないとの見方を示したことで持ち直す場面もみられた。しかし、AI投資の過熱感や中国CXMTの半導体技術進展を受けて半導体株への売りが強まり、ビットコインも上値の重い展開となった。

さらに、フーシ派による攻撃がサウジアラムコ本社にまで拡大するなか、9月の米CPIが市場予想を上回ると、追加利上げ観測が強まり、米金利とドルが上昇した。加えて、AIインフラ事業を手掛けるコアウィーブ[CRWV]の債務負担への懸念から同社の社債や株価が急落し、AI関連株にも下げが広がった。

これらを受けて、市場でリスク回避の動きが強まり、ビットコインも下落。現物ETFからの資金流出も需給面の重石となり、BTC=80,000ドル(約1264万円)台まで値を下げ、前半の上昇分をほぼ打ち消した。

来週(10月16日~10月22日)の相場予想

BTC(ビットコイン)はFOMC前に底堅い展開か、米企業決算と中東情勢次第では一段安も

来週のビットコインは、FOMCを控えた様子見姿勢から底堅く推移する一方、米企業決算や米イラン情勢次第では米国株とともに下値を試す展開も予想される。

まず、米金融政策では月末のFOMCを控え、政策判断を巡る不透明感が広がっている。9月米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回った一方、今週発表された9月米CPIは原油高を背景に市場予想を上回り、雇用の減速とインフレ再燃への警戒が交錯している。

米長期金利もCPI発表後に急騰した後、ハイテク株安を受けた安全資産としての国債買いなどから急低下し、方向感を見極めにくい状況が続く。こうしたなか、ビットコインはFOMC前の様子見姿勢から底堅い推移が見込まれる一方、追加利上げ観測の変化次第では下値を試す可能性もある。

また、株式市場では、米企業決算を受けた選別色が強まっている。今週発表された大手金融機関の決算は収益面で底堅さを示したものの、金利高への警戒から株価の反応はまちまちとなった。来週はネットフリックス[NFLX]やテスラ[TSLA]などの決算が注目され、企業業績や先行き見通しへの失望から米国株の調整が続けば、ビットコインにも売り圧力が波及しやすいだろう。

米イラン情勢では、ホルムズ海峡周辺で船舶への攻撃が激化し、今週は商船2隻が沈没するなど原油輸送を巡る緊張が一段と高まっている。一方、サウジアラビアの9月の原油生産量は日量約840万バレルまで回復するなど、供給改善の動きもみられる。

ただし、今週は親イラン武装組織フーシ派とサウジ主導の連合軍による攻撃の応酬があり、サウジアラムコの関連施設も被害を受けた。原油供給の回復が進む一方で軍事的な緊張が続いており、原油価格が再び上昇すれば、インフレ懸念を通じてビットコインにも下押し圧力が及ぶ可能性がある。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=85,000ドル(約1343万円)、下値はBTC=78,000ドル(約1232万円)を意識する。

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