国際決済銀行(BIS)は10月13日、デジタル通貨のプライバシー保護技術を検証した「Project Aurum(プロジェクト・オーラム)第2段階」の報告書を公表した。
BISは、現金に近いプライバシーと規制順守は両立できると結論づけた。一方で、現状の技術基盤は「実用化できる段階にはない」と明記している。
同プロジェクトはBISイノベーション・ハブ香港センターが、香港金融管理局(HKMA)、香港理工大学、香港応用科技研究院(ASTRI)と共同で進めており、香港のデジタル通貨「e-HKD」のリテール利用の研究も兼ねる。
第2段階では、「BBS+署名(必要な情報だけを開示できる電子署名)」による仮名とゼロ知識証明(ZKP)を組み合わせた。中央銀行や取引の検証者が利用者の身元や送金額を見られない仕組みを試作したという。
ただし、本人確認(KYC)を担う銀行は利用者の身元を把握しており、法的に必要な場合は追跡できる。BISは、1つの銀行が侵害されても他行の顧客の身元は流出しない設計だとしているが、侵害された銀行の顧客データは危険にさらされる可能性があることも認めた。
アメリカでは、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が2025年1月の大統領令で、連邦機関によるCBDCの推進を禁じた。一方、ヨーロッパではデジタルユーロの立法作業が続いている。
今回の報告書は、暗号資産分野で発展したZKPなどの技術が、中央銀行マネーの設計にも取り込まれつつあることを示している。
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|文・編集:井上 俊彦
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