米州銀行監督者協会(CSBS)が10月6日に公表した調査によると、回答した米地域銀行の約6割が、ステーブルコインの普及による預金減少と融資余力の低下を懸念しているという。CSBSの発表は、ステーブルコインが地域銀行に新たな競争圧力をもたらしていると指摘した。
調査報告書では、預金減少と融資余力の低下について、影響が「最も大きい」とした回答が37.8%、「中程度」とした回答が22.4%だった。合計は60.2%となる。調査は4月15日から7月15日まで、総資産100億ドル未満の地域銀行を対象に実施され、35州の330行が参加した。
ステーブルコインは、米ドルなどの法定通貨に価値が連動するよう設計されたデジタル資産だ。報告書に掲載された銀行経営者の説明によると、預金がこうしたサービスへ移れば、地域の企業などへの融資に回せる資金が減るおそれがあるという。
背景には、2025年7月に成立した米ステーブルコイン規制法「GENIUS Act(ジーニアス法)」がある。CSBSは、同法の成立でステーブルコインが預金の競争相手として存在感を増したと説明している。
また、規制の不均衡や規制の違いを利用する動きについて、影響が「最も大きい」「中程度」とした回答は計59.5%だった。カード決済などに伴う手数料収入の減少についても、計47.0%が同様に回答したという。
一方、顧客向け決済の速度や利用しやすさの改善について、影響が「最も大きい」「中程度」とした回答は計34.2%だった。新たな収益や手数料を得る機会については計16.4%にとどまり、収益拡大への期待よりも既存事業への影響を重く見る傾向が示された。

懸念を抱きながら、対応を検討する銀行もあるという。ステーブルコインへの関わり方を尋ねた別の設問では、37.0%が銀行の基幹システムを提供する事業者を通じたネットワーク参加を予定していた。12.3%は既存の発行体と提携してサービスを提供する方針を示した。
一方、提示された取り組みのいずれも予定していないとの回答は48.5%だった。
CSBSは、地域銀行がステーブルコインへの対応を、競争相手に先行する手段というより、取り残されないために必要な取り組みと捉えていると分析している。
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|文:平木 昌宏
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