暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)の「優良顧客」が、イランの軍事組織向けの資金移動網に関わっていた疑いがあると、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が10月9日に報じた。
この顧客は、イラン政権の資金調達役が運営する暗号資産関連企業の責任者だったという。
米国とイスラエルの当局の説明によると、企業を運営していた資金調達役が、イスラム革命防衛隊(IRGC)向けの秘密の決済ネットワークを指揮していたとされる。
WSJによると、不審な取引の兆候として最初に浮上したのは、この顧客とイランの両替商との取引だった。その後、米国とスイスの法執行当局が、顧客の口座についてバイナンスに問い合わせた。この口座には、イランの首都テヘランから繰り返しアクセスがあったという。
バイナンスの社内記録によると、この顧客は取引手数料の優遇や個別対応を受けていたとされる。こうした優良顧客としての扱いから、調査担当者が顧客との取引関係を打ち切るには、上層部の承認が必要だったという。
バイナンスはWSJに対し、関連口座の取引を2025年終盤に停止し、2026年5月には最後の関連口座を閉鎖したと説明している。
バイナンスのイラン関連取引を巡っては、Bloomberg(ブルームバーグ)が9月22日、米司法省(DOJ)が制裁違反の可能性を捜査していると報じていた。
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|文:平木 昌宏
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