ポイント
・続落で一時8.2万ドル
・三角持ち合いを下に抜け下落加速
・原油と米長期金利に連動
・米政府の移動を材料視する声も
昨日のBTC市場
昨日のBTC市場は続落。

未明に8.6万ドル(約1,360万円)台後半で上値を重くし、朝方に8.5万ドル(約1,345万円)を割り込むと、海外時間には一時8.2万ドル(約1,295万円)台まで値を落とした。
BTCは8.2~8.5万ドルのレンジを上抜けると、金曜日の弱い雇用統計を受けて8.7万ドルにワンタッチした。9月22日の戻り高値に上値を抑えられると、8.5~8.7万ドルにレンジを切り上げ、9.7万ドルを上辺とする三角持ち合いを形成した。
週明けは目立った材料が乏しい中、原油相場と米長期金利に連動する展開。中東からの供給回復やサウジのパイプライン復旧などもあり、WTIが86ドル台まで下落する中、BTCは何度か8.7万ドルを試した。
しかしあと一歩のところで跳ね返されると、昨日未明に米長期金利が上昇し、8.5万ドル台に失速した。米政府のウォレットから移動があったことを材料視する声も一部で聞かれた。
朝方、三角持ち合いのサポートラインを割り込むと8.3万ドル台に失速。前日のETFフローが+118百万ドルとプラスに転じたこともあり、いったん8.4万ドル台に持ち直したが、午後に入り原油価格が反発し、米長期金利が上昇すると、BTCはじりじりと値を下げた。
米市場がオープンし、WTIが91ドル台へ、米10年債利回りは5.36%に上昇して2002年以来の高水準を更新すると、BTCは8.2万ドル台に値を落とした。
しかし、IEA(国際エネルギー機関)が、3月に合意した備蓄放出のうち未放出分約1億バレルを前倒しで放出すると報じられると、原油価格は反落。続く10年債入札が好調に終わり、米長期金利も反落する中、BTCは8.3万ドルに値を戻した。
ただ、アトランティック誌が中間選挙前の空爆再開が検討されていると報じると原油価格が反発し、その後のFOMC議事要旨を受けて米長期金利の下落も一服すると、BTCは8.3万ドル近辺での取引を続けている。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は底値を固める展開を予想する。
BTCは三角持ち合いを下抜け、昨日「こうした斜めのサポートの下抜けはそれほど心配する必要はない」としつつ、「8.2万ドルを下抜けるとダブルトップが完成し、少し長めの調整につながりかねず、注意が必要」と申し上げたが、早速8.2万ドル台に値を落とした。
上昇トライアングルを形成し、8.7万ドル超えが期待されただけに、「急落だ」との失望感や犯人捜しをする声が聞かれる。しかし冷静に見れば、レンジの上限を試しに失敗したので、今度は下限を試しているというよくある話だ。アノマリー的にBTCが強い国慶節が終わったことも、手仕舞い売りを誘発した可能性がある。
下落の原因を米政府のウォレット移動と指摘する声もあるが、冷静に考えれば、大統領令で押収したBTCを売却しないと定め、つい先日も大統領が繰り返したのに、大事な選挙の前にユーザーの不評を買う売却をする可能性は非常に低い。それでも不安にかられるのは、市場に高値警戒感が燻っているのかもしれない。このレンジを抜けるにはもう少し時間がかかりそうだ。
ちなみに、今回の移動がそうしたきっかけになったとすれば、オンチェーン分析の弱点が出た格好だと考える。オンチェーンデータは有用な場合もあるが、ノイズとして市場のかく乱要因になる場合も多い。市場には回答がないのに、ブロックチェーン上に何か答えがあるという幻想を抱かせ、またほんの一部の情報を拡大解釈しがちだ。今回、たった数億ドルの移動でBTC価格を2~3%引き下げたとすれば、過剰反応以外の何物でもない。
昨日、ルビオ国務長官は、イランがホルムズ海峡の「支配」を失ったとし、革命防衛隊(IRGC)は違法な航路を近々「閉鎖」するとした。図らずもIRGC自ら「閉鎖」できていないことを認める格好となってしまっている。一部で中間選挙前の空爆再開の可能性を指摘する報道もあるが、選挙前に原油価格を下げるために空爆を再開するという主張自体がやや矛盾している。原油価格は下げ渋ってはいるが、いまのところ緩やかに下落している。
BTCは引き続き、原油価格と米長期金利など外部要因に振らされやすい展開が続きそうだが、レンジを抜けるにはもう少し時間がかかりそうだ。本日はまずは8.2万ドル台での底固めからか。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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