Bitget、ハッキング流出額を約610億円に上方修正

暗号資産(仮想通貨)取引所Bitget(ビットゲット)は9月25日、ハッキングによる流出額を約3億8750万ドル(約610億円、1ドル=157.4円換算)に上方修正した。被害額は当初の約3億5160万ドルから約3590万ドル増えた。同社の公式発表で明らかになった。

修正は、初期集計に含まれていなかったジーキャッシュ(ZEC)やトロン(TRX)上の資産を加えたためである。新たな不正送金が発生したわけではないという。同社は9月26日、出金を段階的に再開する計画を発表した。

ビットコイン(BTC)は9月28日17時、イーサリアム(ETH)は29日17時、テザー(USDT)は30日17時から再開する。その他の暗号資産や法定通貨、P2P関連の出金は10月2日17時に再開する予定だ。時刻はいずれも日本時間である。

今回の事件では、9月24日18時31分(日本時間9月25日3時31分)に不正送金が検知された。

ホットウォレットとウォームウォレットの一部が影響を受けたが、コールドウォレットへの被害は確認されていない。入金と取引は継続する一方、安全性を確認するため出金を一時停止した。当初の発表では、流出額を約3億5160万ドルとしていた。

初期調査では、攻撃者がウォレット基盤の重要なバックエンドシステムに侵入したことが判明している。侵入したシステム内で送金データを偽装し、承認処理を作動させて資産を移動させたという。秘密鍵そのものが盗まれた形跡はないとしている。具体的な攻撃経路については、引き続き調査が進められている。

同社によると、原因となった脆弱性はすでに修正され、追加の不正送金を防ぐ措置も完了した。外部のサイバーセキュリティ企業と連携し、攻撃元の特定や流出資金の追跡を続けている。

また、報奨金制度では、流出資金の凍結または回収に直接つながった個人や団体に、それぞれ対象額の5%を支払う。裁判所の命令や法執行機関からの要請など、法的手続きに基づく対応は対象外となる。支払いの可否や金額はビットゲットが最終的に判断する。

同社は業界関係者との連携によって、流出資金の一部をすでに凍結したとしている。攻撃者が管理するアドレスや資金移動を確認できる追跡システムも公開し、取引所やブロックチェーン事業者などに情報提供を呼びかけた。

ビットゲットは、利用者の損失をユーザー保護基金で負担する方針を示している。同基金は事件発生時点で約4億6400万ドル規模とされ、今回修正された被害額を上回る。

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|文:平木 昌宏
|画像:Adobe Stock