JPMorgan Chase(JPモルガン・チェース)のアナリストは、上場投資信託(ETF)を対象としたヘッジ取引が減少すれば、ビットコイン(BTC)が金より強い価格支持を受ける可能性があるとの見方を示した。The Blockが9月17日に報じた。
同行によると、金ETFは2026年初めからの資金流出をすでに取り戻した。一方、ビットコインETFが回復したのは流出額の約半分にとどまるという。直近ではビットコインETFへの需要も弱まっており、環境が改善した場合の回復余地は金より大きいとみている。
背景には、7月下旬に開かれた米連邦準備制度理事会(FRB)の会合後、通貨価値の低下に備える「通貨価値希薄化取引」が再び意識されたことがある。投資家は法定通貨の購買力低下に備え、供給量が限られる金やビットコインに資金を移したとされる。
ただし、この取引は直近1週間で勢いを失ったという。インフレ調整後の実質金利が上昇したほか、米上院で暗号資産(仮想通貨)の市場構造法案「CLARITY Act(クラリティ法案)」の審議が前進しなかったことが重荷になったとされる。
先物市場では、金とビットコインのいずれも投資家の保有ポジションが高水準にあるという。JPモルガンのアナリストは、機関投資家による需要が両資産を支えている可能性を指摘した。
一方、ETFの空売り残高には大きな差がある。BlackRock(ブラックロック)の現物ビットコインETF「iShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)」の空売り残高は、2026年の最高水準に近いという。これに対し、金ETF「SPDR Gold Shares ETF(GLD)」の空売り残高は過去の平均を下回っているとされる。
空売りは、価格下落を見込んでETFを借りて売る取引である。現物ETFを保有する投資家が値下がりリスクを抑える目的で利用する場合もある。IBITの空売り残高が多いことは、投資家が金よりビットコインに慎重な姿勢を取っている可能性を示すという。
IBITでは、プットオプションの建玉をコールオプションの建玉で割った比率もGLDより高いとされる。プットオプションは価格下落への備えとして使われるため、この比率の高さもビットコインに対するヘッジ需要の強さを示しているという。
JPモルガンのアナリストは、今後の価格には複数の要因が影響するとした。そのうえで、IBITの空売り残高がGLDより多い現在の市場構造では、ヘッジ需要が減少した場合、ポジションの巻き戻しがビットコインを金以上に支える可能性があると結論付けた。
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|文:平木 昌宏
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