・ストラテジー株は、第2四半期決算の発表を控えた7月30日の通常取引で4.73%上昇した。同社は取引終了後、82億2000万ドルの四半期純損失を発表した。
・同社は、米ドル準備金を37億5000万ドルまで積み増し、転換社債残高を約18%減の約67億ドルとしたほか、7月26日時点で84万3775BTCを保有していると明らかにした。
・同日のナスダック100は、マイクロソフトや半導体株の上昇を背景に3.36%上昇した。市場全体の上昇がストラテジー株の追い風となった可能性はある。
ストラテジー株、決算発表前に4.73%高 Q2はBTC評価損で82億2000万ドルの純損失
ストラテジー(NASDAQ:MSTR)の株価は7月30日の通常取引で4.73%上昇した。同社は取引終了後、第2四半期決算を発表し、BTC価格の下落に伴う83億2000万ドルの未実現公正価値評価損を主因として、82億2000万ドルの純損失を計上した。
同社の純損失は82億2000万ドル、1株当たり24.45ドルとなり、前年同期の黒字から赤字に転落した。損失のほぼすべては、四半期中にBTC価格が下落したことで、保有するBTCに対して計上した83億2000万ドルの未実現公正価値評価損によるものだった。

巨額の純損失が注目された一方、ストラテジーの売上高は前年同期比6.9%増の1億2240万ドルとなり、アナリスト予想とおおむね一致した。
同社のBTC保有量は第2四半期末に約84万6000BTCとなった。その後、一部を売却したため、7月26日時点の保有量は84万3775BTCとなっている。これは、BTCの最大供給量2100万BTCの約4.02%に相当する。7月27日時点の市場価格に基づく同社のBTC保有額は約547億7000万ドルだった。
BTC保有以外の財務状況も改善した。ストラテジーは7月26日時点で、優先株配当と利払いに充てる米ドル準備金を37億5000万ドルまで積み増した。これは約2.1年分の支払いを賄える規模だという。
また、割引価格での買い戻しなどを通じて転換社債残高を約18%削減し、およそ67億ドルとした。その一方で、市場価格で株式を随時売却するATM増資による資金調達も継続した。
82億2000万ドルの純損失の大部分を占めたBTC評価損
今回の純損失の大部分は、BTC価格の下落に伴う未実現の公正価値評価損だった。
ストラテジーはBTC保有資産に公正価値会計を適用しているため、BTCを売却していなくても、価格変動がそのまま決算上の利益や損失に反映される。
この評価損はBTCを売却して確定した損失ではなく、四半期末の価格変動を反映した未実現損失である。一方、同社は米ドル準備金の積み増しや転換社債の削減も進めた。
同社は米ドル準備金を37億5000万ドルまで積み増して流動性を強化するとともに、債務返済や割引価格での買い戻しを通じてレバレッジを引き下げた。
同社は7月20日から26日にかけて、優先株STRCを約2500万ドルで買い戻した。額面総額は約2889万ドルで、額面に対して約13%の割引価格だった。

同社は、BTCの保有戦略を維持する一方、転換社債の削減や米ドル準備金の積み増し、優先株の買い戻しを進めている。
ストラテジーは7月24日、新設・更新した指標を公表した。また、同社ウェブサイト上のダッシュボードで、BTC保有量や各種KPIを公開している。
ストラテジー株は7月30日の通常取引を4.73%高で終えた。mNAVは算定時点で約1.0倍前後となっていた。ただし、mNAVは株価、BTC価格、負債や優先株の扱いによって変動するため、算定方法と基準日時を明記する必要がある。
ハイテク株の選別とFOMC後の市場回復もMSTRの追い風に
ナスダック100が木曜日に3%反発するなど、市場心理の改善もストラテジー株の追い風となった可能性がある。
FRBは7月29日、政策金利の誘導目標を3.50~3.75%に据え置いた。翌30日の米国株市場では、マイクロソフトや半導体株を中心にハイテク株が上昇した。

大型テクノロジー株の中では選別が進んだ。設備投資負担への懸念からメタ株が下落した一方、好決算を発表したマイクロソフトや半導体株が上昇し、ナスダック全体を押し上げた。これらの企業の決算では、人工知能インフラへの投資拡大による財務負担の増大が浮き彫りになった。
メタ・プラットフォームズの売上高は前年同期比28%増の608億ドルと大きく伸びた一方、フリーキャッシュフローは91%減の7億8400万ドルまで落ち込んだ。
同社は2026年の設備投資見通しを1300億〜1450億ドルとし、従来の1250億〜1450億ドルから下限を引き上げた。AI投資の拡大が利益見通しを圧迫し、株価の重荷となった。
Googleの親会社アルファベットも、7月22日に発表した第2四半期決算で同様の構図を示した。
同社は四半期の設備投資額を449億ドルまで増やした一方、AIインフラ投資を加速させたことで、フリーキャッシュフローは約59億ドルのマイナスに転じた。
アルファベットの経営陣はさらに、2026年通期の設備投資見通しを1950億〜2050億ドルへ引き上げ、支出が従来想定を上回る見通しを示した。
主要テクノロジー企業の2026年設備投資額は、一部の外部試算で7000億ドル前後に達するとみられている。ただし、対象企業や会計年度、「AI関連投資」に含める範囲によって総額は異なる。
インフラ投資額が営業活動によるキャッシュ創出額を上回るなか、各社のフリーキャッシュフローに対する圧力が強まっている。
これに対し、ストラテジーは投資家に異なる資本配分の物語を提示した。
一方、ストラテジーはBTC保有戦略を継続しながら、転換社債の削減、米ドル準備金の積み増し、優先株の買い戻しを進めた。


