月足は反発も、3カ月移動平均線を下回り弱気基調が継続

7月のビットコインは、月初の952万円近辺から反発し、足元では1040万円台で推移しています。月間では約9.6%上昇しているものの、3カ月移動平均線の1052万円をわずかに下回っており、月足ベースでは弱気なチャートを明確に脱したとはいえない状況です。
また、5月に記録した1295万円近辺の高値を更新できず、その後は高値を切り下げています。中期的には上値の重さが残っており、まずは3カ月移動平均線を上回って月足を確定できるかが、相場の方向性を見極めるポイントとなります。
一方、1000万円を下回る水準では買い戻しの動きも確認され、2024年夏に取引が集中した価格帯がサポートとして意識されています。短期的な弱気基調は継続しているものの、長期では徐々に下値の堅さが見られ始めており、押し目を形成する局面に入っている可能性があります。
週足は8週移動平均線付近で上値が重い展開

今月のビットコインは、月初から先週まで4週連続で陽線を記録し、先月に見られた急落から持ち直す動きとなりました。一方、今週は現時点で小幅な下落となっており、足元では1040万円台で推移しています。
価格は8週移動平均線の1057万円近辺で上値を抑えられています。同水準を明確に上回る動きには至っておらず、短期では方向感に乏しい状況です。売買の優位性を見いだしにくく、移動平均線を挟んだ値動きが続く可能性があります。
今後、再び1000万円近辺まで下落した場合でも同水準で下値を支えられれば、安値を切り上げる形となり、逆三尊を意識したチャートパターンに発展する可能性があります。上方向では8週移動平均線を明確に上回れるか、下方向では1000万円を維持できるかが、今後の方向性を見極めるポイントとなります。
取引所保有BTCは足元で減少も、依然として高水準

取引所が保有するビットコイン残高は、7月中旬をピークに足元では緩やかな減少傾向となっています。取引所から外部ウォレットへの移動が進んでいる可能性があり、短期的には売却可能な現物BTCの減少を通じて、売り圧力がやや後退していることを示唆します。
一方、取引所保有残高は5月の低水準と比べると依然として高い状態です。直近の減少幅も限定的であり、現時点では需給環境が明確に改善したと判断するには早いでしょう。取引所内には相応のBTCが残っているため、相場が下落した場合には潜在的な売り圧力として意識される可能性があります。
過去のサイクルでは、2022年の相場底付近で取引所保有BTCが大きく減少する局面が見られました。投資家が取引所からBTCを引き出し、長期保有へ移行したことが背景にあった可能性があります。ただし、取引所残高の減少だけで相場の底を判断することはできません。
今後、同指標が現在の緩やかな減少から大幅な流出へと変化し、価格も1000万円近辺を維持するようであれば、売り需要の後退と長期保有への移行が進んでいると考えられます。その場合は、サイクルの底打ちを示す材料の一つとなる可能性があります。現状は改善の兆しが見られるものの、本格的な底打ちシグナルには至っていない状況です。
先物乖離率は高水準、規制整備への期待を織り込む

3カ月先のビットコイン先物価格と現物価格の年率換算乖離率は、足元で3.8%近辺まで上昇しています。6月末には2%台前半で推移していましたが、7月に入ると上昇基調が鮮明となり、直近6カ月では高い水準にあります。先物価格が現物価格を上回る状態が強まっており、投資家の上昇期待や先物市場での買い需要が高まっていることを示唆します。
背景の一つとして、米国の暗号資産市場構造法案であるCLARITY法案への期待が挙げられます。同法案は2025年7月に米下院を通過し、2026年5月には上院銀行委員会でも可決されました。ただし、現時点では上院本会議での審議を待つ段階であり、まだ法成立には至っていません。市場では規制の明確化が暗号資産市場への資金流入につながるとの期待が先行している可能性があります。
一方、法案成立への期待がすでに先物価格へ相応に織り込まれている点には注意が必要です。今後、法案が進展した場合でも、新たな買い材料として価格を一段と押し上げるかは不透明です。内容や成立時期が市場の期待に届かなければ、材料出尽くしによる利益確定売りが出る可能性もあります。
また、先物乖離率の上昇には方向性を持った買いだけでなく、現物を買う一方で先物を売る裁定取引の需要も含まれます。そのため、乖離率の上昇をすべて強気ポジションの増加と捉えることはできません。それでも、先物市場で一定のプレミアムが維持されていることから、投資家心理が全面的な悲観に傾いていないことは確認できます。
4年サイクルの底値形成という観点では、現在の高い乖離率は、投機的な買い意欲や将来への上昇期待が残っていることを示します。相場の最終的な底では、レバレッジの解消に伴って先物プレミアムが大きく縮小し、現物価格との差がほぼなくなる展開も想定されます。したがって、現状は底値圏を形成している可能性はあるものの、市場参加者が一斉に弱気へ傾くような総悲観の局面には至っていないと考えられます。
ETFは月初に流入も、足元では再び流出超過

米国のビットコイン現物ETFでは、7月初旬を中心に資金流入が確認されました。6月後半まで流出が続いていた状況から改善し、ビットコイン価格の持ち直しを支える要因の一つになったと考えられます。
背景には、これまで金融市場を牽引してきた半導体関連株の値動きが軟調となり、投資資金の一部が暗号資産へ移動した可能性があります。ただし、ETFフローのデータだけで資金移動の経路を特定することは難しく、株式市場からビットコインへの明確なローテーションが発生したと判断するには追加の確認が必要です。
一方、月後半には再び大幅な流出を記録する日が見られ、足元のネットフローもマイナスで推移しています。流入日と流出日が交互に発生しており、機関投資家による継続的な買い需要が定着した状況とはいえません。
今後、ETFへの資金流入が複数日にわたって継続すれば、現物市場の需給改善を通じて価格の下支えとなる可能性があります。反対に、流出超過が続く場合は、先物市場で買い意欲が高まっていても、現物主導の上昇にはつながりにくいでしょう。現状は月初に改善が見られたものの、ETF需要の持続性には不透明感が残っています。
まとめ:底値圏を意識する局面も、反転確認までは慎重姿勢を維持
7月のビットコインは、1000万円を下回る水準で買い戻しが入り、月間では反発する動きとなりました。長期チャートでは2024年夏に取引が集中した価格帯がサポートとして意識されており、4年サイクルの底値圏に近づいている可能性があります。今後、大きく下落する場面では、長期的な視点から段階的に買い下がる選択肢も検討されやすい局面と考えられます。
一方、月足は3カ月移動平均線を下回り、週足も8週移動平均線付近で上値を抑えられています。取引所保有BTCは減少に転じたものの依然として高水準であり、先物市場にも買い意欲が残っています。過去の底値局面で見られたような大幅な取引所流出やレバレッジ解消など、相場の底打ちを示す明確なシグナルはまだ確認されていません。そのため、反発後に高値を追う取引は引き続きリスクが高い状況です。
足元では、米国のCLARITY法案を巡る期待が相場を下支えしています。ただし、先物市場では期待の織り込みが進む一方、現物ETFへの資金流入は安定しておらず、現物主導の上昇基調が定着したとはいえません。価格が移動平均線を上回り、高値を明確に切り上げるチャートへ移行するまでは、下落時の買いを分散しつつ、上昇局面では慎重な投資姿勢を維持することが重要です。


