ブロックチェーンセキュリティ企業Blockaid(ブロックエイド)は7月28日に公表したレポートで、2026年上半期(1〜6月)の暗号資産関連のハッキング被害額が10億ドル(約1600億円、1ドル=160円換算)を超えたと明らかにした。
確認された攻撃件数は過去最多となり、同社は2026年上半期を「記録上、最も多くハッキングされた半年間」と位置付けた。これは被害額ではなく、事件数を指している。
ブロックエイドによると、2026年上半期に確認した攻撃件数は、2025年通年の件数をすでに上回った。一方、被害総額は前年同期を下回った。2025年上半期には約15億ドル規模の暗号資産交換業者Bybit(バイビット)への攻撃が発生し、前年の被害額を大きく押し上げていたためだ。
流出額では、北朝鮮に関連するとみられる攻撃者が最大の割合を占めた。ブロックエイドは、約2億8500万ドルが流出したDrift(ドリフト)への攻撃と、約2億9200万ドルが流出したKelpDAOへの攻撃について、いずれも北朝鮮関連の攻撃者によるものと分析している。
同社は、北朝鮮関連グループによる攻撃は今後も続くとの見方を示した。LinkedInを使ったソーシャルエンジニアリングを起点に、マルチシグ署名者の端末や認証情報を侵害して署名権限を奪う手法が、上半期の被害額上位4件のうち2件で使われたと指摘。この手口が使われなくなる構造的な理由はないとしている。
チェーン別では、イーサリアム上のプロジェクトが約3億3200万ドル、ソラナ上のプロジェクトが約3億2600万ドルの被害を受けた。ブロックエイドは、高額資産を扱うリステーキング、ステーブルコイン、DEXアグリゲーターなどが集中するイーサリアムでは大規模なコード悪用事件が起きやすい一方、ソラナではコントラクトのコードより署名インフラが狙われる傾向があると分析した。
さらに同社は、2026年後半にはAIエージェント関連の攻撃が増えると予測。プロンプトインジェクションを中心に、ツールの不正利用や権限のない署名を伴う事件が発生する可能性があるとの見方を示した。
|文・編集:Shoko Galaviz
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