Empery Digital、AIデータセンター資金調達のためのBTC売却を公表──直後に株価上昇

ナスダック上場のEmpery Digital(エンペリー・デジタル)は7月10日、過去約2カ月で1400ビットコイン(BTC)を約8710万ドル(約139億3600万円、1ドル=160円換算)で売却したとアメリカ証券取引委員会(SEC)への提出書類Form 8-Kで明らかにした。この発表後、同社株は上昇した。

書類によれば、同社は5月7日以降、平均6万2200ドルでビットコインを売却した。手取り資金は、7月7日に実施した1000万ドル(約16億円)の債務返済、かねて公表済みの資産取得、そして株主訴訟の防御に伴う法的費用などに充てるとしている。

The Blockの報道によれば、この取得は電力供給に恵まれたアメリカ国内の工業用地をAIデータセンターに転換する事業への出資で、同社はHunt Properties(ハント・プロパティーズ)系の合弁会社の株式25%を取得するという。

この売却発表を受け、株価は同日取引開始から35分以内に4.2%上昇し、3.95ドルを付けた。これはビットコイン財務戦略への信頼が揺らぎ、資金がAIへ向かう局面で、投資家がBTC売却を前向きに受け止めた可能性を示唆している。

同社は電動パワースポーツ車両メーカーのVolcon(ヴォルコン)だったが、昨年7月に5億ドル超を調達してビットコイン財務事業へ転換した。一時は4000BTC超を保有し、上場ビットコイン保有企業の上位25社に入った。

7月10日時点でも1514BTC(約1億ドル、約160億円弱に相当)と約7390万ドル(約118億2400万円)の現金を保有する。今回の売却は蓄積戦略の見直しであり、大株主がビットコイン戦略の放棄と経営陣の刷新を求めた数カ月後の判断でもある。

|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock

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