・イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏に関連するとされるウォレットが、7000イーサリアム(ETH)、約1100万ドル相当を新たに作成されたアドレスへ移動し、市場で再び注目を集めている。
・イーサリアム財団による予算・人員削減の発表以降、ETHの市場心理は低調な状態が続いており、恐怖・強欲指数は月間安値圏に近づいている。
ヴィタリック氏関連ウォレットの1100万ドル相当ETH移動で思惑広がる
週明けの取引で、ETHは1590ドルをわずかに下回る水準で推移した。市場では、イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏に過去から関連づけられてきたウォレットが、7000ETH、約1110万ドル相当を移動したことが材料視された。
この送金を受け、市場では大口売却が近いのではないかとの思惑がすぐに広がった。関連ウォレットでは過去にも、取引所や慈善団体、イーサリアム財団関連ウォレットなどへの送金が注目された経緯があるためだ。
「ヴィタリック関連のウォレットが今日、1106万ドル相当のETHを新たに作成されたウォレットへ移動した。彼はまたETHを売るつもりなのか」─Ted Pillows氏のX、6月29日
これまでも、有力なETH保有者によるオンチェーン上の資金移動は、短期的な市場心理に影響を与えてきた。
ただし現時点で、ブロックチェーン上のデータからは、今回の資金が売却に向けて準備されていることを示す証拠は確認されていない。送金先のウォレットについて、少なくとも現時点で取引所への入金や売却に直結する動きは確認されていない。そのため、財務管理、運用上のセキュリティ対応、内部での資金移動など、売却以外の可能性も残されている。
市場心理の弱さがETHの重しに、RSIは売られすぎ圏近辺で推移
ETHの市場心理は、先週発表されたイーサリアム財団の資金削減を受け、低調な状態が続いている。

恐怖・強欲指数は直近で37まで低下し、ETHは「恐怖」ゾーンに入った。これは今月の中でも弱い水準に近い。同指数は、市場のボラティリティ、取引量、モメンタム、ソーシャル上の反応、その他の行動指標を集計し、投資家のリスク選好度を測るものだ。一般的に50を下回ると、投資家が防御的な姿勢を取っていることを示す。

テクニカル指標を見ても、ETHは20日移動平均線の約1584ドルと、長期のトレンド上の抵抗線である約1673ドルのいずれも下回って推移している。これは、現在のトレンドにおいて売り手が依然として主導権を握っていることを示している。
相対力指数(RSI)は現在31近辺で推移しており、一般的に売られすぎの目安とされる30をわずかに上回る水準にある。RSIは、直近の価格変動の速さと大きさを測り、資産が買われすぎ、または売られすぎの状態にあるかを判断する指標だ。6月25日以降、RSIは横ばいになっているものの、価格に対して明確な強気のダイバージェンスはまだ確認されていない。
ヘイズ氏はBTCよりETHを選好、SharpLinkはETH購入を再開
BitMEX共同創設者のアーサー・ヘイズ氏によると、ETHは売られすぎのテクニカル構造にあり、リスクとリターンの観点ではビットコイン(BTC)より魅力的な機会を示しているという。弱気な見方が残るなかでも、企業トレジャリーによるETH購入の動きも出ている。
CoinMarketCapの月曜日の投稿によると、ヘイズ氏は、純粋にテクニカル面だけを見れば、現時点ではBTCよりETHを選ぶと述べた。
この見方は、イーサリアム財団が6月下旬に全従業員の約20%にあたる54人の削減と、年間予算の約40%削減を明らかにした数日後に示されたものだ。
6月下旬、SharpLink Gamingは約8カ月ぶりにETH購入を再開した。報道によると、同社は直近3日間で計3万9196ETH、約6240万ドル相当を取得したとされる。
こうした企業トレジャリーによる購入は、弱い市場心理が続くなかで需給面の支えと見る向きもある。ただし、完全なトレンド反転を確認するには、ETHがまず20日移動平均線の約1584ドルを回復し、その後、主要な抵抗線である約1670ドルを突破する必要がある。



