アメリカ商品先物取引委員会(CFTC)は6月10日、急成長する予測市場に対する包括的な規制案を発表した。
一部の州当局の反対にもかかわらずスポーツ賭博は全面的に容認する一方、テロや暗殺、戦争に関する賭けはより厳しく制限する内容だ。
267ページに及ぶ規制案は、契約の種類ごとに許容・禁止の推定を設けたうえで、個別に「公共の利益」の観点から審査する仕組みをとる。
スポーツでは、最終スコアや勝敗といった結果に基づく契約を原則容認する一方、特定のプレーや選手の負傷、ユース年代のスポーツを対象とした契約は禁止される見込みだ。
CFTCはスポーツに関するベットについて「公共の利益に関する懸念を引き起こす可能性は低い」との見解を示した。選挙や金融イベントも、規制対象の「賭博」には含まれない。
予測市場をめぐっては、インサイダー取引が問題視されてきた。Kalshi(カルシ)やPolymarket(ポリマーケット)などの予測プラットフォームは2024年の選挙で利用が拡大し、市場は急成長した。
司法省は今春、非公開情報を使ってPolymarketで賭けを行ったとして現役の陸軍兵を逮捕しており、各社は不正対策を相次いで導入している。
この規制案は、CFTCをめぐる二つの緊張を背景に持つ。
一つは州政府との管轄権争いだ。CFTCは予測市場を連邦規制下にあると位置づけ、州内での禁止は越権行為だとして、ミネソタ州やウィスコンシン州などを相次いで提訴してきた。
もう一つは監督能力への懸念だ。Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)米上院議員は6月5日にCFTCのMichael Selig(マイケル・セリグ)委員長へ書簡を送り、職員の約25%削減や執行件数の減少を挙げ、CFTCが暗号資産企業と予測市場の双方を十分に監督できるのか、疑問を呈した。
CFTCのセリグ委員長は声明で、「CFTCは、責任あるイノベーションを妨げることなく、規制対象市場の健全性を守る」と述べた。Xでも「これが最後の予測市場規則になることはない」と述べ、追加の規則整備に含みを残した。
|文・編集:井上 俊彦
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