自民党ブロックチェーン議連、片山さつき財務相に提言──暗号資産税制やオンチェーン金融の進展要望

自民党ブロックチェーン推進議員連盟は6月1日、暗号資産(仮想通貨)税制やオンチェーン金融に関する制度整備などを求める提言を、片山さつき財務大臣に手渡した。

提言では、暗号資産規制を金融商品取引法(金商法)下に移行することを前提とした申告分離課税の導入のほか、証券などの発行・保有・取引・収益分配がブロックチェーン上で完結する「オンチェーン金融」について、「国際的な実務の進展」に対応するため、国内でも迅速な制度整備を進めるべきだとしている。

提言は、5月11日に開催された同議連の第36回会合で取りまとめられ、神田潤一衆議院議員が説明していたもの。ステーブルコインやCBDC、貿易・物流分野でのブロックチェーン活用なども盛り込まれている。

同議連は2021年に発足。ブロックチェーンやWeb3領域に関する制度整備や産業育成などを目的に活動してきた。木原誠二衆議院議員が会長を、平将明衆議院議員が会長代理を務めている。

「オンチェーン金融」が重要テーマに

提言では、暗号資産税制について、申告分離課税の導入に向けた制度整理を着実に進めることが重要だとしたうえで、暗号資産同士の交換時の課税見直しや相続税、寄付税制の整理も求めた。

また、個人向け暗号資産デリバティブ取引のレバレッジ倍率について、現行の2倍からの段階的引き上げを検討すべきだと明記。暗号資産ETF(上場投資信託)の制度整備や無登録業者への対策強化も盛り込まれた。 

提言の手交後、報道陣の取材に応じた神田議員は、今年は特に「オンチェーン金融」が重要テーマになっていると説明。来年5月に東京で開催予定のアジア開発銀行(ADB)の年次総会にも触れ、「円建てステーブルコインなども含め、アジアでオンチェーン金融を広げていく取り組みを進めていくべきだ」と述べた。

〈財務省で取材に応じた神田議員(中央)〉

提言を受け取った片山大臣は、米国でステーブルコインやオンチェーン金融の議論が活発化していることに言及し、「日本も海外の動きに負けず進めていかなければならない」と応じたという。

なお、同議連会長の木原議員は、3月に発足した「次世代AI・オンチェーン金融構想PT」の座長も務める。同PTは5月19日、オンチェーン金融を国家戦略として位置づける提言を公表。ステーブルコインやトークン化預金を次世代金融インフラとして整備する方向性を打ち出した。

NADA NEWSの取材では、同提言が今月策定が見込まれる高市政権の「骨太の方針2026」(経済財政運営と改革の基本方針)に反映される方向で調整が進められていることも明らかになっている。 木原議員は、オンチェーン金融が進展する中で日本の通貨主権を確保する重要性を指摘している。 

▶関連記事:【独自】高市政権「骨太の方針」にステーブルコイン、トークン化預金の利用拡大──自民党「次世代AI・オンチェーン金融構想PT」が提言

▶関連記事:「銀行はプラットフォーマー化する」──次世代AI・オンチェーン金融構想PTの木原座長が描く未来とは

オンチェーン金融に関する議論は、党内の複数の場で進められており、ブロックチェーン議連とAI・オンチェーン金融構想PTでも、木原議員や平議員、神田議員ら主要メンバーが重複している。

神田議員は議連について「民間の取り組みも含め、より自由な立場でヒアリングや提言を行ってきた」と説明。そのうえで、「出てくる結論はほぼ同じ方向性になっている」とし、党内で歩調を合わせながら政策を推進していく考えを示した。

|取材・文・写真:橋本祐樹
|トップ画像:左から、議連会長の木原誠二議員、岩崎ひな議員、提言を受領した片山さつき大臣、辻ゆうこ議員、平将明議員、神田潤一議員(金融庁提供)

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