暗号資産業界のコンプライアンス基準が厳格化。しかし抜け穴も:Chainalysis

ブロックチェーン分析企業Chainalysis(チェイナリシス)は5月27日、近く公開予定のレポート「The New Rails」のプレビューとなるブログ記事を公開し、暗号資産業界のコンプライアンス基準が厳格化していると述べた。

同社によると、業界はより厳格な規制とハッカーによる脅威の増大を受け、セキュリティとコンプライアンスを強化している。

アラートの重大度や検知の最低基準額などを組み合わせた「コンプライアンス指数」で見ると、2020〜2021年に参入した組織のうち当時の最高水準(上位10%)を満たしていたのは約10%にとどまっていたが、2023年を境に上昇した。2026年に新規参入した組織では半数近くが、2020年であれば上位10%に入るほど積極的なモニタリング体制を導入しているという。

Chainalysisは「これはエコシステムの急速な成熟を示す兆候だ。今日の標準的なコンプライアンス設定は、わずか5年前であれば業界最先端とみなされていた水準であり、基準は上がり続けている」と評価した。

一方で、課題も残る。資金が既知の不正な送金元から直接届く「直接監視」では各社の対応が標準化・均質化しているものの、仲介アドレスを経由する「間接監視」では依然としてギャップがある。ランサムウェアや詐欺、ダークネット市場などのカテゴリーでは、間接的な検知基準が直接の場合の10〜20倍も緩く設定される傾向があり、不正資金の経路として悪用され得るという。

Chainalysisの調査チームは「業界における直接監視と間接監視の間のギャップは、不正行為者が悪用できる隙を生み出している。このギャップを埋める組織は、規制上の正当性を高め、信頼できる取引相手として差別化を図ることができるだろう」と指摘した。

|文・編集:井上 俊彦
|画像:Shutterstock

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