参議院の財政金融委員会は7月14日、暗号資産への規制を盛り込んだ金融商品取引法および資金決済法などの改正案を、賛成多数で可決した。
法案の成立に向けたステップは、残すところ参議院本会議での採決のみとなった。
今回の改正案は、これまで資金決済法でカバーされていた暗号資産取引の規制を、金融商品取引法(金商法)へと移管するもの。
主な変更点として、インサイダー取引規制の導入や、IEO(新規暗号資産の公募)などにおける基本情報の公表義務化、個人投資家の保護を目的とした投資上限の設定が盛り込まれている。
採決に先立つ討論では、反対意見も出た。
日本共産党の小池晃議員は、暗号資産について「価値の裏付けがない投機であり、サナエトークンなどのミームコインや分散型取引所(DEX)への規制が及ばないまま金商法移管や分離課税化を進めることは、国による事実上のお墨付きになりかねない」と指摘。さらに、プロ向け投資家(特定投資家)の対象拡大が一般投資家をリスクに巻き込む懸念もあるとして、法案への反対を表明した。
森ゆうこ議員から与野党共同で提案された14項目の附帯決議案が提出・朗読され、こちらは全会一致で採択された。
14項目のうち、暗号資産に関する主な内容は次のとおり。
- 国による「お墨付き」ではないことの周知:金商法への移管や申告分離課税化は、国が暗号資産に「お墨付き」を与えたわけではないことを国民に周知し、金融リテラシー向上に努めること。
- 適正な取引環境づくり:暗号資産の多くには価値の裏付けがない特性を踏まえ、利用者がリスクを理解し、支払い能力の範囲内で取引できるよう、自主規制団体と連携してガイドライン等を整えること。
- 無登録業者への対策と監視の強化:詐欺被害を防ぐため金融庁と警察庁の連携を強化するほか、証券取引等監視委員会のシステム投資や人員を増強し、監視体制を強めること。
- 5年を待たない迅速なルールの見直し:技術進化の速さや海外の制度動向を踏まえ、施行後5年を待ずにスピーディーに制度を見直すこと。
採択を受け、片山さつき財務大臣は「政府として配慮していく」と述べた。
法案は、通常国会の会期末である7月17日までに参議院本会議で可決・成立する見通し。
|文:栃山直樹
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