レイヤー1ブロックチェーンのSui(スイ)は5月20日、ガス代(取引手数料)を支払うことなくステーブルコインを送金できるプロトコルレベルの新機能をメインネットで開始したとXで発表した。これによって、Suiネットワーク上のステーブルコイン送金手数料は0.00ドルとなる。
新機能では、ユーザーや企業が手数料用にSUIトークンの残高を別途用意する必要なしに、対応ステーブルコインでP2P送金を完結できる。対応するのはUSDコイン(USDC)、独自ネイティブのUSDsui、suiUSDe、AUSD、FDUSD、USDB、USDYの7銘柄。技術的には、同時に導入された新しいアカウント型残高システム「Address Balances」が今回の機能を支えている。
今回のアップデートは暗号資産(仮想通貨)カストディ大手Fireblocks(ファイアブロックス)の支援によるもので、Anchorage Digital(アンカレッジ・デジタル)、BitGo(ビットゴー)、Coinbase(コインベース)、OKX、Robinhood(ロビンフッド)など主要カストディ・取引所も開始時点から対応する。
MystenLabs(ミステン・ラボ)の共同創業者兼最高製品責任者(CPO)、Adeniyi Abiodun(アデニイ・アビオドゥン)氏は「ステーブルコインはグローバル金融の中核になりつつあるが、周辺インフラはいまだ不必要な複雑さを利用者に強いている。ガス代無料の送金により、ブロックチェーン決済における最大の障壁の一つだったガストークン管理の必要性が取り除かれる」と意義を強調した。FireblocksのRan Goldi(ラン・ゴルディ)決済・ネットワーク担当シニアバイスプレジデントも「決済の未来はステーブルコインのレール上で動く。Suiはオンチェーン決済を構築する企業の摩擦を取り除く正しい一手を打った」と評価した。
業界への影響としては、送金コストが予測可能となり、1セント未満のマイクロペイメントや、自律型AIエージェントによる「エージェント型コマース」など新カテゴリの実用化が進む見通しだ。Suiネットワークは2025年8月以降、1兆ドル(約160兆円、1ドル=160円換算)超のステーブルコイン取引を処理しており、グローバル決済レールの主要候補としての地位を一層固める動きとなる。
|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
※編集部より:本文を一部修正して、更新しました。5月22日22時39分



