金融サービス会社NYDIGのグローバルリサーチ責任者、Greg Cipolaro(グレッグ・シポラロ)氏は5月15日付の週次レポートで、アメリカ上院で審議中の暗号資産(仮想通貨)市場構造法案「CLARITY Act(クラリティ法案)」について、可決には8月までかかる可能性があり、中間選挙前にこの期間内で可決できなければ全く進展しないリスクがあるとの見解を示した。
CLARITY法案は5月14日、上院銀行委員会で15対9の超党派の賛成多数で可決された。共和党全13名に加え、民主党のRuben Gallego(ルーベン・ガレゴ)議員(アリゾナ州)とAngela Alsobrooks(アンジェラ・アルソブルックス)議員(メリーランド州)が賛成に回り、本会議での十分な支持獲得への期待が高まっている。
ホワイトハウスの暗号資産担当上級顧問、Patrick Witt(パトリック・ウィット)氏は今月初め、上院での修正、本会議採決、下院での再可決を行うため、7月4日の独立記念日を目標に法案可決を目指していると表明していた。しかしシポラロ氏は「これは固定された立法期限というよりも、むしろ理想的な目標値を示すものかもしれない」と指摘した。現実的な可決ウィンドウは6月から8月初旬までで、議会が7月下旬から休会に入り、9月以降は中間選挙前の選挙運動期間となるため、このタイミングを逃せば成立は困難になるとした。
同法案は、暗号資産を証券(証券取引委員会:SECの管轄)と商品(商品先物取引委員会:CFTCの管轄)に明確に区分するアメリカ初の包括的な法的枠組みで、ビットコイン(BTC)を法的に商品として位置づける。可決されれば、機関投資家の参入障壁が大幅に下がり、銀行による暗号資産の直接保有やDeFi(分散型金融)への参加も認められる。
一方で障害も残る。最大の争点は、議員や政府高官の暗号資産関連活動を制限する倫理規定で、民主党は現行案を不十分とみなしている。このほか、DeFiにおけるマネーロンダリング対策の枠組み、ステーブルコイン利回り規定をめぐる銀行業界団体からの圧力なども、本会議採決に向けた懸念材料となっている。
|文・編集:井上俊彦
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