暗号技術企業Succinctは4月23日、写真や動画がデジタル技術で改ざん・生成したものではないことを証明するために設計されたiPhone向けカメラアプリ「ZCAM」のリリースを発表した。
ZCAMは、撮影時に写真や動画に暗号署名を付与し、コンテンツと撮影デバイスを紐づける改ざん不可能な記録を作成。コンテンツの閲覧者は、それが実在するデバイスで撮影され、デジタル技術で改ざん・生成されたものではないことを検証できる。
SuccinctはDeloitte Center for Financial Services(デロイト金融サービスセンター)の調査を引用し、AI(人工知能)を利用したコンテンツによる詐欺被害額は2026年に400億ドル(約6兆2000億円、1ドル155円換算)に達すると予測されていると説明。
Succinct Labsの研究者らは、AI生成画像を用いて、主要な不正検出ツール7種類を評価。その結果、未加工の画像には一定の性能を示したが、ぼかし、圧縮、ノイズなどの簡単な編集を加えたことで検出率が最大96%も低下したという。
不正検出ツールの性能に限界がある現状を踏まえ、Succinctは、コンテンツが本物であることを数学的に証明する方向へと発想を転換した。
Succinctは、従来のゼロ知識仮想マシン(zkVM)よりも処理速度を大幅に向上させた「SP1」を開発したことで知られる。2024年3月には、暗号資産(仮想通貨)に特化したベンチャーキャピタルParadigm(パラダイム)の主導で、5500万ドル(約85億円)の資金調達を実施した。
|文・編集:廣瀬優香
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