暗号資産の分離課税、過去保有分も20%か──自民党税調コアメンバーの井林議員が語った舞台裏と次の課題

暗号資産(仮想通貨)の分離課税導入は、市場にとって大きな前進となった。だが、その背景には制度改正をめぐる水面下の調整と、業界側の意思統一があったようだ。

4月21日に開催されたブロックチェーン推進協会(BCCC)のイベントで、自民党税制調査会インナー、つまり税調のコアメンバーとして税制改正の実務を担う衆議院議員の井林たつのり氏は、今回の改正の舞台裏と、今後業界に求められる役割について語った。

3月31日に成立した税制改正関連法では、一定の条件下で暗号資産取引に20%の申告分離課税が導入されることになった。

過去保有分はどうなるのか

イベントでは、YouTube「魔界の税理士ちゃんねる」で知られる村上祐一氏から、2028年以降に導入が見込まれる暗号資産の申告分離課税について、過去から保有している暗号資産にも新税率が適用されるのかとの質問が投げかけられた。

井林氏は明言は避けつつも、「取得時期ごとに税率を分けるような処理は、おそらく行わないのではないか」との見方を示し、「普通に考えれば、過去分も含めて分離課税の対象になるのではないか」と述べた。

村上氏は翌22日、「確定情報ではないものの」と前置きしつつ、「ガチホ勢にとっては朗報になりそうです!」とXに投稿している。

制度改正を後押しした“業界のまとまり”

井林氏は、今回の改正では、業界全体として大きな方向性を共有できたことが重要だったとの認識を示した。

暗号資産を金融商品取引法(金商法)の枠組みに移し、金融商品として位置づけることは事実上、分離課税導入の前提となっていた。業界にとっては規制強化を伴うだけに、異論が強く出れば議論は長引く可能性もあった。

井林氏は、別の意見が大きくなれば、「もう1年待ってじっくり検討となってもおかしくなかった」と述べ、今回の制度改正が円滑に進んだ背景として、業界側の足並みがそろっていた点を挙げた。

なぜ自民党は動いたのか──1300万口座の存在感

〈井林氏は国会での審議を終え、BCCC Collaborative Dayの基調講演「暗号資産・ステーブルコイン税制について」に加わった〉

また自民党内には、ほんの数年前まで暗号資産に批判的な意見もあったと指摘。今回は、税制改正が実現した背景として井林氏は、利用者基盤の拡大をあげた。

「暗号資産取引所の口座数は、1300万口座を超えたと言われている。しかもユーザーの7割は若年層だ。政府としては、若年層の安定的な資産形成を後押ししたいと考えた」

暗号資産は政府にとっても無視できない市場規模になり、特に若年層の資産形成に役立つひとつのツールとして認知されたというわけだ。

なお、JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)が4月1日に公開した最新の統計データによると、口座数は1403万8246口座と初めて1400万を突破した。

次は“実体経済への貢献”

一方で、井林氏は業界に対して新たな課題も示した。

「暗号資産は金商法に入ることになる。つまり金融の一部になる。金融というのは、実体経済を良くするのが基本だ」

これまで暗号資産とその業界は、「新しいテクノロジー」「新しいイノベーション」の切り口で語られることが多かった。「Web3」という単語はその代表例と言えるだろう。

だが金融商品として既存システムに組み込まれる以上、今後は産業や企業活動にどう役立つのかが問われることになる。

井林氏は、「暗号資産を通じて実体経済がどう良くなるのか、ぜひ示してほしい」と述べ、業界団体や事業者に対し、より具体的な価値提案を求めた。

|文:増田隆幸
|撮影:NADA NEWS編集部

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