欧州中央銀行、暗号資産監督権限の一元化を全面支持

欧州中央銀行(ECB)は4月9日に公表した意見書の中で、大規模な暗号資産(仮想通貨)取引所や清算機関などの監督権限を各国規制当局からEU証券市場監督機構(ESMA)へ移管するという欧州委員会の計画を「全面的に支持する」と表明した。

この一元化が意味するのは、MiCA(暗号資産市場規制)施行以来最大の規制構造の転換だ。現行の仕組みでは、暗号資産事業者(CASP)はいずれか1加盟国のライセンスを得れば、EU全域にサービスを提供できる。これにより、Kraken(クラーケン)はアイルランドでライセンスを取得し、Coinbase(コインベース)はルクセンブルクを選ぶなど、企業が規制の緩やかな国を選ぶことが多く見られた。

ECBは監督の一元化が「監督の整合性を高め、越境リスクを軽減し、金融安定を支える」と主張する。銀行が暗号資産企業と連携を深めているため、リスクが伝統的な金融システムに波及しうるとも警告した。ただしESMAへの十分な人員・予算の付与が前提条件だとした。

一方、MiCAの認可ハブとして存在感を示してきたマルタをはじめ、一部の加盟国は「MiCA施行(2024年12月)から日が浅く時期尚早」と反発している。この意見書は法的拘束力を持たず、欧州委員会の提案は今後、EU加盟国と欧州議会との間で数カ月にわたる交渉に入る。

|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock

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