Tether Investments(テザー・インベストメンツ)は、世界最大級のインターネット市場「Whop.com」への戦略的投資を発表した。
Whopの共同創業者兼CEOであるSteven Schwartz(スティーブン・シュワルツ)氏のXへの投稿によると、投資額は2億ドル(約310億円、、1ドル=155円換算)にのぼる。
Whopは、個人や企業が一つのプラットフォーム上で創作・交流・取引を行えるオンライン市場で、現在1840万人以上のユーザーを抱える。今回の投資は、ステーブルコインインフラを実体経済へ広げるというテザーの方針を反映したものだ。
Whopは今後、テザーのウォレット開発キット「WDK(Wallet Development Kit)」を統合し、世界中のクリエイターやユーザーに対して、USDTおよびUSATによる決済オプションを提供する。これにより、既存の決済インフラで生じるコストや遅延といった摩擦を軽減し、より迅速で効率的なドル決済を実現する狙いだ。
セルフカストディ型ウォレットで摩擦を削減
WDKはオープンソースで提供されるセルフカストディ型ウォレット開発ツールであり、ビットコイン、ライトニング、USDT、テザーゴールド(XAUT)、USATなどをサポートする。モジュール型かつブロックチェーン非依存の設計により、任意のブロックチェーンやデジタル資産へ拡張可能だ。
WhopはWDKを活用し、利用者が資金を直接管理できる仕組みを整備する。オンチェーンでの即時決済を可能にするほか、レンディングやボローイングといったDeFi機能も組み込まれる予定だ。これにより、Whopは単なるマーケットプレイスを超え、コミュニティ向けの新たなセルフカストディ型デジタルウォレットへと進化する。
テザーのPaolo Ardoino(パオロ・アルドイノ)CEOは、「ステーブルコインとウォレットは、人々の生活やビジネスに直接組み込まれてこそ真価を発揮する」と述べ、今回の投資がグローバル規模での金融包摂と自立支援を加速させると強調した。
急成長するグローバル市場
Whopでは現在、年間約30億ドルがユーザーに支払われており、月次総取引額はおよそ25%のペースで増加している。144カ国に広がる利用者基盤を持ち、グローバル需要は拡大を続けている。
今回の資金調達は、ラテンアメリカ、欧州、アジア太平洋地域への積極的な国際展開を後押しする。さらに、次世代のインターネット起業家向けに、エージェント型収益機会を可能にする高度なAIツールの開発も進める。
Whopのシュワルツ氏は、「インターネット上の次世代ビジネスは、初日からグローバルだ」と述べ、国や通貨に依存しない即時決済基盤の重要性を指摘した。
テザーのエコシステムと流動性
テザーは現在、世界で5億3000万人以上のユーザーにリーチし、発行済みデジタルドルは1800億ドル超にのぼる。今回の協業により、Whopのプラットフォームはテザーの広範な流動性と技術基盤を活用できるようになる。
WDKにはUSDt0技術やクロスチェーン相互運用機能が組み込まれており、開発者や金融機関、さらには国家レベルの導入も想定されている。中央集権型プロバイダーに依存しないホワイトラベル型ウォレット構築が可能で、将来的には人間、IoTデバイス、AIエージェントが安全に価値を保有・交換できる基盤を目指す。
|文・編集:Shoko Galaviz
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