● 今週のビットコインは、米長期金利の低下や米国の暗号資産規制を巡る進展、トランプ米大統領による暗号資産政策への期待を背景に急反発し、節目のBTC=70,000ドル(約1113万円)を突破した。
● 来週のビットコインは、米利上げ観測の後退を背景に上昇余地がある一方、米イラン情勢やジャクソンホール会議を控えて様子見姿勢も広がる展開が予想される。直近の価格レンジとして、上値はBTC=80,000ドル(約1272万円)、下値はBTC=65,000ドル(約1033万円)を意識する。
今週(8月14日~8月20日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米長期金利の低下とトランプ米大統領発言を受け急反発
ビットコインは、米長期金利の低下や米国の暗号資産規制を巡る進展、トランプ米大統領による暗号資産政策への期待を背景に急反発し、節目のBTC=70,000ドル(約1113万円)を突破した。
週前半は、米小売売上高の鈍化を受けて9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ観測が後退した一方、米イラン情勢を巡る不透明感から原油価格と米長期金利が上昇。これを受け、高バリュエーションが意識されていたAI・半導体株を中心に米国株が下落し、ビットコインも連れ安となった。
ビットコインは一時BTC=63,000ドル(約1001万円)付近まで下落したものの、米財務省がステーブルコイン規制「GENIUS法」の実施に向けた規則案を公表したほか、米SEC(米証券取引委員会)も暗号資産の資金調達に関する新たな規則案を示したことで、規制環境の明確化への期待が下支えとなった。
その後8月19日、FOMC議事要旨でインフレ高止まりを警戒する姿勢が示された一方、米財務省が長期国債の買い戻し規模を従来の1回当たり最大20億ドルから少なくとも40億ドルへ倍増すると発表すると、長期金利・ドル指数が低下し、金やビットコインを含む金融資産への買いが広がった。
さらに、トランプ米大統領がCLARITY法案の成立を議会に求めたほか、米国によるビットコイン購入の可能性について言及したことも買い材料となり、ビットコインは一気に上値を伸ばし、BTC=69,000ドル(約1097万円)台まで急騰した。
これまで上値を抑えていたBTC=70,000ドル(約1113万円)の節目を突破すると、ショートポジションの損切りを巻き込んだ買い戻しが加速し、ビットコインはBTC=72,000ドル(約1144万円)付近まで価格を伸ばした。
※直近にかけて上昇が続いており、現在はBTC=75,000ドル(約1192万円)を上抜けて推移。

来週(8月21日~8月27日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米利上げ観測の後退で上昇余地も、ジャクソンホール会議を前に様子見か
来週のビットコインは、米利上げ観測の後退を背景に上昇余地がある一方、米イラン情勢やジャクソンホール会議を控えて様子見姿勢も広がる展開が予想される。
まず、金融政策では米個人消費支出(PCE)物価指数に注目である。8月発表された米雇用統計や米消費者物価指数(CPI)など主要経済指標の鈍化を受けて、市場では利上げ観測が後退している。PCEでもインフレ鈍化が確認されれば、この流れを後押しし、ビットコインがさらに上昇する可能性がある。
こうした中、米イラン情勢ではホルムズ海峡を巡る緊張が続いている。地政学リスクが一段と高まれば、金と同様に国家に依存しない資産としてビットコインが選好される可能性がある。一方、トランプ政権がイランへの追加制裁を含む経済圧力の強化を表明しており、対立激化によって原油高がさらに進めば、インフレ再燃と利上げ観測の再浮上を通じてビットコインの上値を抑える要因となるだろう。
暗号資産市場では、ストラテジー[MSTR]の動向にも注意したい。同社は8月上旬にBTCを売却した後、直近では売買を見送っている。ビットコインが足元で反発するなか、BTC売却を再開すれば需給懸念から上値を抑える可能性がある一方、追加購入に転じれば需給懸念が後退し、相場の下支え要因となるだろう。
暗号資産規制では、引き続きSECやCFTC(米商品先物取引委員会)など規制当局による個別の動向に注目である。SECに続き、CFTCもオンチェーン・デリバティブ取引で存在感を高めるHyperliquidと米国でのサービス提供に向けた協議を進めているという。こうした規制整備の具体化が続けば、CLARITY法案の審議が停滞する中でも、政策期待を維持する材料となるだろう。
もっとも、先述の通り、週末にはジャクソンホール会議の開催を控え、FRB高官の発言を見極めたいとの思惑から様子見ムードも強まりやすいだろう。直近の価格レンジとして、上値はBTC=80,000ドル(約1272万円)、下値はBTC=65,000ドル(約1033万円)を意識する。


