国際送金大手のWestern Union(ウエスタンユニオン)は8月4日、ステーブルコイン決済基盤のRain(レイン)と提携し「Stablecard by Western Union」を開始したと発表した。ブロックチェーン決済分野への大きな進出となる。
Stablecardは、米ドル連動ステーブルコインのUSDPTを保有するデジタルウォレットと、USDPTを担保とするVisaブランドのセキュアードカードを一体化した製品だ。
利用者は送金をUSDPTで直接受け取り、他のウォレットや取引所と資金を移動し、Visa加盟店やATMで使える。カードはApple PayやGoogle Payにも追加できる。37市場で提供を開始し、年末までに60市場超への拡大を目指すという。同社のサイトによると、与信審査や最低残高は不要だという。
USDPTはAnchorage Digital Bank(アンカレッジ・デジタル・バンク)がSolana上で発行し、米ドルと1対1で償還できる。ウエスタンユニオンは5月、より広範なデジタル資産戦略の一環としてUSDPTを立ち上げた。
社長兼CEOのDevin McGranahan(デビン・マクグラナハン)氏は「ドルの裏付けを持つ暗号資産の安定性と、当社の世界的なネットワークおよびVisaの受け入れ基盤を組み合わせるものだ」と述べた。
ステーブルコインは世界の送金市場に深く浸透しており、競合のMoneyGram(マネーグラム)もStellar上でMGUSDを投入している。
ただし、ステーブルコインは万能の解決策ではない。Banca d’Italia(イタリア銀行)が7月30日に公表した調査では、総コストは送金額の0.30〜約9%と大きくばらつき、費用・速度の面で従来手段を常に上回るわけではなかった。ボトルネックは法定通貨との交換にあるという。
今のところ、USDPTの流通量は約740万ドル(約11億8400万円、1ドル=160円換算)にとどまり、同社が年間に動かす約1000億ドル(約16兆円)とは桁が違う。4〜6月期の売上高は10億ドル(約1600億円)で前年同期比1%減と本業の縮小が続いており、Stablecardが反転の起点となるかが問われる。
|文・編集:井上 俊彦
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