米民主党のElizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)上院議員とRichard Blumenthal(リチャード・ブルーメンソール)上院議員は8月3日、米証券取引委員会(SEC)のPaul Atkins(ポール・アトキンス)委員長に書簡を送り、ドナルド・トランプ大統領が関与するミームコイン「$TRUMP」について調査するよう求めた。
両議員は、トークン価格の急落で多数の投資家が損失を被った一方、トランプ氏が多額の収入を得たと報じられている点を問題視。$TRUMPを通じて違法な詐欺や不当利得が行われた可能性を調査するよう要請した。
書簡によると、2025年1月の$TRUMP公開から同年6月末までに、約100万人の投資家が総額38億1000万ドル(約6100億円、1ドル=160円換算)の損失を被った一方、トランプ氏は6億3600万ドルを得たとされる。これらは両議員が引用した報道や分析に基づく数字であり、SECや裁判所が確定したものではない。
両議員は、暗号資産(仮想通貨)取引には価格変動リスクがあると認めつつ、投資家の損失とトランプ氏が得たとされる収入の大きな差は、市場の公正性や安定性、投資家保護に関する疑問を生じさせると主張した。
また、トランプ氏が2025年1月18日にXで$TRUMPを宣伝し、支持者に購入を促したことも指摘した。トークンの取引が行われるたびに収益を得られる構造だったとして、価格の上昇・下落にかかわらず利益を得る立場にあったと主張している。
書簡では、プロジェクト関係者が投資家の期待を維持しながら段階的に価値を引き出す「ソフト・ラグプル」を含め、違法な詐欺に該当する可能性にも言及した。ただし、現時点で不正行為が認定されたわけではない。
今回の要請は、米議会で暗号資産市場構造法案「CLARITY Act(クラリティ法案)」の交渉が重要局面を迎える中で行われた。同法案では、公職者とその家族による暗号資産事業への関与を制限する倫理規定が主要な争点の一つとなっている。
一方、SEC企業金融局のスタッフは2025年2月、一定の一般的なミームコインについて、通常は連邦証券法上の証券に該当しないとの見解を示した。ただし、これは法的拘束力を持つSEC委員会の決定ではなく、ミームコインを利用した詐欺などが法執行の対象外になることを意味しない。今回の要請が正式な調査や執行措置に発展するかは不透明だ。
|文・編集:Shoko Galaviz
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