・上場企業は6月、企業財務として保有するビットコイン(BTC)を純額で7314BTC増やした。StrategyとStriveが、同月の購入量の約80%を占めた。
・Strategyは保有量を純額で3625BTC増やし、引き続き最大の買い手となった。これにStriveが3364BTCで僅差で続いた。
・グレースケールは、Strategyによる直近の2億1600万ドル相当のBTC売却について、保有の集中と資金調達に伴うリスクを軽減し、市場の長期的な見通しを改善する可能性があると指摘した。
機関投資家需要が底堅さを維持、上場企業のBTC保有量は6月に7314BTC純増
BTC価格が2026年6月を約20%の下落で終えた一方、上場企業はBTCの取得を続けた。
BitcoinTreasuries.netが公表したレポートによると、企業は6月に約8992BTCを購入する一方、1678BTCを売却した。その結果、保有量は純額で7314BTC増加した。6月30日のBTC終値に基づくと、約4億2700万ドル相当に当たる。
Strategyは保有量を純額で3625BTC増やし、引き続き最大の買い手となった。これにStriveが3364BTCで続いた。両社の純増量は合計6989BTCとなり、6月に上場企業が購入した8992BTCの約78%に相当する規模となった。両社はそれぞれ約2億ドルをビットコインの取得に投じた。

ただし、購入の動きは、この財務戦略を主導する大手2社だけに限らなかった。StrategyとStriveを除いても、ほかの上場企業は売却分を差し引く前の段階で約2000BTCを取得した。
MARA Holdings、CleanSpark、BitFuFu、Canaanなどのマイニング企業も保有量を増やしたほか、新たにビットコイン財務戦略を採用した複数の企業が、小規模な戦略的取得を開始した。
一方、Fold Holdings、Nakamoto Inc.、HIVE Digital Technologies、ProCap Financialは、ポートフォリオの再調整の一環として保有量を減らした。
6月は第2四半期の最終月でもあった。上場企業は同四半期にBTC保有量を約11万BTC増やしたと推定され、過去2四半期のいずれの増加ペースも上回った。
Strategyの売却はビットコイン市場の長期的な構造を強化する可能性=グレースケール
Strategyが6月29日から7月5日にかけて実施した2億1600万ドル相当のBTC売却を巡って懸念が広がったものの、BTC価格は7月初め以降、6万ドルを上回る水準でもみ合いを続けている。
グレースケールのリサーチ責任者であるザック・パンドル氏は、この売却が当初は短期的な価格変動の一因となったものの、Strategyの流動性を改善したことで、最終的には資金調達に伴うリスクを軽減したと指摘した。
パンドル氏は、グレースケールが7月6日に公表したCrypto Intelligenceレポートで、次のように述べた。
「Strategyによる直近の少量のBTC売却は、新たな価格変動を引き起こす一因となった。しかし長期的には、BTCの保有がより分散し、レバレッジを活用するデジタル資産財務企業のバランスシートに集中するBTCが減ることで、市場の強靱性は高まると考えている」
パンドル氏はさらに、現在の株式評価水準では、Strategyが積極的なBTC購入に向けた資金調達を続ける余力が以前より限られており、財務基盤を強化する重要性が一段と高まっていると指摘した。
これとは別に、Strategyが5月26日から31日に実施した32BTCの売却を巡っては、暗号資産コミュニティから肯定的な見方も示されていた。Redditのr/CryptoCurrencyに6月2日付で投稿された議論では、転換社債を減らし、優先株による資金調達への依存度を高めることは、Strategyの株主とBTC投資家の双方に利益をもたらすとの意見が示された。
投稿では、StrategyがBTCの売却代金を転換社債の返済に充てたとの見方が示された。ただし、同社の公式開示によると、転換社債の買い戻しは現金で実施され、32BTCの売却代金は主に優先株の配当に充てる方針とされている」
転換社債では、Strategyは定められた満期日に数十億ドル規模の債務を現金または株式で返済する必要がある。
一方、永久優先株には満期がないため、暗号資産市場の低迷が長期化した場合でも、債務の満期到来によってデフォルトに陥るリスクを回避できる。
なお、Strategyが売却した3588BTCは、同社のBTC総保有量の約0.4%に相当する。


