Circle(サークル)のJeremy Allaire(ジェレミー・アレール)CEOは7月1日、Xへの投稿を通じて、自社のUSDコイン(USDC)が約10年かけて築き上げた統合ネットワークや流動性、規制インフラの強みを強調し、新たに対抗馬として発表されたステーブルコイン「Open USD(OUSD)」のビジネスモデルの中核要素に対して構造的な観点から異議を唱えた。
同氏は、ステーブルコインをネットワーク効果によって成長するプラットフォーム事業と位置づけ、統合や流動性、規制承認、銀行や準備金管理への継続投資が模倣困難な競争優位性を生むと述べた。
また、調査会社Artemis(アルテミス)のデータを引用し、2026年第1四半期のブロックチェーン上でのドル建てステーブルコイン取引において、USDCが全体の80%にあたる約30兆ドル(約4800兆円、1ドル=160円換算)を処理したとし、同期間におけるテザー(USDT)のシェアは20%であり、その他のステーブルコインの合計は0.5%未満にとどまると述べ、USDCの圧倒的な実績を強調している。
さらにアレール氏は、OUSDなどが掲げるビジネスモデルに対して複数の疑問を呈した。
第一に、手数料無料や上限なしの発行・償還モデルについて、市場の現実として恒久的な維持は困難であると指摘した。第二に、準備金収益の大半を分配する仕組みはインフラへの継続的な投資不足を招き、「インフラを枯渇させる」と批判している。
第三に、コンソーシアム(共同事業体)形式による運営は、インセンティブの不一致や意思決定の遅れを招きやすく、単独のプラットフォームビルダーに比べて競争力が劣ると懸念を示した。
OUSDは、Open Standard(オープン・スタンダード)が6月30日に発表した新たなステーブルコインプロジェクトだ。Visa(ビザ)やMastercard(マスターカード)、Coinbase(コインベース)、BlackRock(ブラックロック)、Google(グーグル)など140社超が支援し、今年後半のローンチを予定している。
この発表を受けてCircleの株価は約17%下落した。
一方でアレール氏は投稿で「Coinbaseとのパートナーシップはこれまで以上に強固である」と明言しており、OUSDの登場によってステーブルコイン市場の競争がより複雑化・激化していることが浮き彫りとなっている。
|文・編集:井上 俊彦
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