Kraken、Aave Groupに15%出資交渉か──TVL回復遅れもAAVEは5%上昇【価格分析】

・Krakenは、Aave Groupの15%持分取得に向けて交渉していると報じられており、この取引でDeFi(分散型金融)レンディング大手Aave Groupの評価額は約3億8500万ドルとなる。
・Standard Charteredは、トークン化された実物資産(RWA)と機関投資家向けレンディングの拡大を背景に、AAVEが2030年までに3500ドルに達する可能性があると予測している。
・暗号資産市場全体が弱含むなかでも、AAVEは5%上昇した。ただし、TVLはKelpDAO事件前の水準の半分未満にとどまっており、予測市場では引き続き下振れリスクが織り込まれている。

Kraken、Aave Groupに15%出資交渉か DeFiレンディング最大手の評価額は3億8500万ドル

弱気な市場心理が広がるなか、6月25日木曜日、KrakenがAave Groupへの戦略出資に向けて進んだ協議を行っているとの報道を受け、AAVEトークンの価格は一時5%高まで上昇した。

CoinDeskは、交渉に詳しい複数の関係者の話として、KrakenがAave Groupの15%持分取得を目指していると報じた。この取引では、DeFiレンディング最大手であるAave Groupの評価額は約3億8500万ドルとされる。

提案されている投資では、Krakenが約3万5000イーサリアム(ETH)を拠出し、その見返りとしてAave Groupの株式持分に加え、25万AAVEトークンを取得する見通しだ。拠出額は現在の市場価格で約7100万ドルに相当する。

この取引が実現すれば、Krakenが新設した投資部門Payward Asset Managementにとって初の大型投資案件となる。同部門は、Krakenが中核の取引所事業を超えて、デジタル資産エコシステム全体で戦略的な株式投資を広げるために設立された。

今回の動きは、Krakenが将来的な株式公開に向けた準備を加速させるなかで浮上した。Krakenは4月、米国で規制下にあるデリバティブプラットフォームBitnomialの買収に合意している。また、別の報道では、Krakenが200億ドルに迫る評価額で新たな資金調達を進めているとも伝えられている。

これまでの暗号資産分野のベンチャー投資は、主にインフラ系スタートアップを対象とするものが多かった。一方、今回提案されているAaveとの取引は、トークン化資産の機関投資家による採用が広がり続けるなかで、分散型レンディングへの直接的な投資といえる。

AAVE価格は上値抵抗に直面、KelpDAO事件後のTVL回復は遅れ

Krakenによる投資案の報道を受け、AAVEは木曜日、日中安値の78ドル付近から一時85ドルまで上昇し、約5%高となった。暗号資産市場全体が軟調に推移するなかで、多くの銘柄を上回る値動きとなった。

ただし、オンチェーンデータを見ると、Aaveの基礎的な成長指標は横ばいにとどまっている。DefiLlamaによると、AaveのTVLは現在約120億ドルで、4月15日に発生した2億9200万ドル規模のKelpDAOブリッジのエクスプロイト前に記録していた約260億ドルを大きく下回っている。

Aave metrics dashboard: left shows Total Value Locked; right shows a blue TVL line and orange Fees bars with a date tooltip.
<Aaveの総預け入れ資産額(TVL)|出典:DefiLlama>

レンディング活動はここ数週間で徐々に回復しており、5月初旬と6月初旬には手数料収入の目立った急増も確認された。それでも、5月に完了したコミュニティ主導の被害者損失補填を経ても、プロトコルはKelpDAO事件後に失われた流動性の半分超をまだ取り戻せていない。

予測市場の動向も、こうした慎重な見方を映している。Polymarketのあるコントラクトでは、2026年中にAaveのTVLが100億ドルを下回る確率が約77%と示されている。

Chart panel from Polymarket posing: Will the AAVE TVL go below B in 2026? with 77% chance and a blue line graph trend.
<予測市場:AaveのTVLは2026年中に100億ドルを下回るか|Polymarket、2026年6月26日>

このコントラクトの取引量は1000ドル未満と比較的小さいものの、市場心理を読み取る材料にはなる。最新の米PCEインフレ指標を受けて利上げ観測が再燃したことに伴い、木曜日にはその示唆確率が38ポイント上昇した。一方、Acheron Tradingのトレーディング責任者であるジョナサン・ヤーク氏も、機関投資家の資金が暗号資産から人工知能(AI)関連へ継続的にシフトしていると強調している。

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