ポイント
・6.5万ドルから失速、一時6.2万ドル割れ
・キオクシア15%急落でリスクオフ連鎖
・イラン協議進展も上値重く6.5万レジスタンス
・本日株価動向次第でBTC底堅く推移か
昨日のBTC市場
昨日のBTC市場は軟調な展開となった。

未明に6.5万ドル(約1,050万円)台を割り込むと、午後にかけて一時6.2万ドル(約1,000万円)を割り込んだが、その後は6.3万ドル(約1,015万円)台に戻すなど下げ渋っている。
BTCは先週初の米イラン和平覚書合意を受けて6.7万ドル台まで値を伸ばしたが、タカ派的なFOMCを受けて6.5万ドルを割り込むと、ストラテジー社の優先株STRC急落を受け6.2万ドル台に値を落とした。しかし、延期されていたスイスでの協議が21日に開催され、紆余曲折を経たものの、仲介役のパキスタンとカタールが60日間の協議枠組みで合意したとする共同声明を発表すると、BTCは6.4万ドル台に反発した。ただ、6.5万ドルのレジスタンスに上値を抑えられた。
その後、バンス副大統領が「イランがIAEAの査察受け入れに同意した」と発言し、財務省が60日間のイラン産原油販売を許可したことで、BTCはショートカバー気味に6.5万ドル台後半まで値を伸ばした。
連休前に急落したストラテジー社の優先株STRCが、同社の準備金積み増しもあり高寄りしたものの、その後失速。SpaceX株もIPO後の初値付近へ続落する中、BTCは6.4万ドル台に弱含んだ。
この流れを受けた日本市場では、ここのところの急騰で時価総額60兆円を超えトヨタを抜いて国内時価総額1位に躍り出たキオクシア株が1日で15%暴落。これを受け米株先物も失速し、BTCもリスクオフ気味に急落して一時6.2万ドルを割り込んだ。
米市場オープン後はNVIDIAなどAI・半導体株が大きく下げて始まったものの、その後下げ渋り、SpaceX株も一時上場初値を下回った後に反発したこともあり、BTCは6.3万ドル近辺に値を戻している。
本日のBTC市場
本日のBTC市場は底堅い展開を予想する。
株式市場では、SpaceX株の上昇が一服し、日本でもキオクシア株の熱狂が一段落したことで市場はリスクオフに傾いた。ただし、昨晩の米市場の反応は意外と冷静で、市場参加者はある程度両社株の反落を想定していたのかもしれない。もちろんAI半導体株への警戒感はまだ燻っており、これで終わったと判断するのは時期尚早だが、思ったほどのパニックは避けられた印象だ。
こうした中、いよいよETFを中心としたBTCへのフロー回復が期待される。一昨日はFidelityやARK Investmentがプラスに転じた一方、最大手のIBITが流出となりトータルではマイナスとなった。ETFはアセット間のスイッチングコストが低く、金やAI株がブームになると資金を吸収されやすい性質があるが、1月の金相場時も同様で、ブームが一服するとBTCへのフローが回復した経緯がある。
材料的にはイラン問題について、ホルムズ海峡の通行料、IAEAの核査察、凍結資金の解除時期などを巡って食い違いが指摘されている。ただ、原油価格は72ドルまで低下しており、市場は報道されているほど深刻には受け止めていない模様だ。
Clarity法案の下院公聴会が7月17日に決定した。今後の手続きは進行中の上院農業委員会と銀行委員会での文言調整、上院提出、60票を目指した多数派工作、上院本会議、上下両院の妥協案調整(Conference)、そして妥協案の上下両院本会議での採決と進む。今回の公聴会はこのプロセスとは直接関係ないが、昨年の下院通過日に合わせてアピールする場という位置づけだ。
昨晩の2年債入札は、AI株ブームの終焉が懸念される中で「質への逃避買い」が入り好調な結果となった。新議長下で金融政策への関心が高まる中、今日明日の入札動向にも注目したい。
本日は何と言っても株価動向だ。特に最近ブームを牽引してきたキオクシア、SpaceX、AI関連株の動きが鍵となる。これらが大きく下げればリスクオフが強まるし、逆に反発すれば資金を吸収して他のアセットを圧迫する。下げ止まって小動きに落ち着けば、BTCにとってはポジティブになると考える。
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※この記事は「楽天ウォレット」のデイリーレポートを転載したものです。
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