・HyperliquidのHYPEトークンは、インターコンチネンタル取引所(ICE)のジェフリー・スプレッチャーCEOがHyperliquidチームと複数回にわたり会合を持ったことを認めたことを受け、67ドルを上回った。
・規制当局が暗号資産デリバティブの新たな枠組みを検討するなか、オンチェーン無期限先物に対するウォール街の関心は高まり続けている。
・HYPEは金曜日、5月の上昇率を65%まで拡大した。すでに流通供給量の約1%を吸収した上場投資信託(ETF)への資金流入が支えとなった。
ICE CEO、Hyperliquidチームとの会合を認める──ウォール街はオンチェーン無期限先物に注目
HyperliquidのネイティブトークンであるHYPEは、月曜日に64ドルから10%反落した後、5月30日金曜日に直近の価格発見局面を継続し、67ドルを上回った。インターコンチネンタル取引所(ICE)のジェフリー・スプレッチャーCEOが、同社がHyperliquidの経営陣と協議していたことを明らかにした後、HYPEは2取引日連続で5%を超える上昇を記録した。この発言は、分散型取引所であるHyperliquidに不利なロビー活動を行っていたとの過去の報道を沈静化させる形となった。
スプレッチャー氏は5月29日、バーンスタインのカンファレンスで行われた対談で、会合の目的は分散型無期限先物市場がどのように機能しているのかを理解し、従来型の取引所とオンチェーン取引基盤が重なり得る領域を見極めることだったと述べた。この発言は、ICEとCMEグループが米国議員に対し、Hyperliquid上の原油取引を抑制するよう求めたとブルームバーグが報じてから数週間後に出たものだ。
「規制当局には選択肢がある。規制された無期限先物という新たなカテゴリーを作るのか。それとも、これらをスワップと呼び、米国のドッド・フランク法、EUのEMIR、日本の類似規制の枠組みに取り込むのか、ということだ」─スプレッチャー氏
ただしスプレッチャー氏は、この協議について敵対的なものではなく、あくまで調査的なものだと説明した。そのうえで、ICEは既存の取引所が同様のルールの下で競争できる枠組みを規制当局に整備してほしいと考えていると強調した。
主要な取引所運営会社は、オンチェーン無期限先物をニッチな暗号資産商品として切り捨てるのではなく、このモデルが将来の規制枠組みにどのように適合し得るのかを理解することに、より強い関心を向け始めているようだ。
ICEは今週初め、OKXと提携し、ICEのブレント原油およびWTI原油の指標に連動する原油無期限先物商品の立ち上げを目指すことを明らかにした。
ETFが取引開始初月に流通供給量の約1%を吸収、HYPEは5月に65%上昇
HYPEはここ数週間、主要デジタル資産の中でも特に好調な銘柄として浮上している。5月には約65%上昇し、直近7日間でも約16%のプラスとなった。
Hyperliquidの直近のトークンアンロックイベントでは、当初、強い利益確定売りが出て、HYPEは56.30ドルまで下落した。しかし、買い手が追加供給をすばやく吸収し、トークン価格は1日以内に63ドルを回復。その後、67ドルに向けて上昇を続けた。この急反発により、ETF需要がアンロックに伴う売り圧力を上回っているとの見方が強まった。

HYPE連動ETFは5月12日に取引を開始し、今回の上昇をけん引する大きな材料となった。HYPE連動ETFはすでに13営業日連続で純流入を記録しており、金曜日の取引終了時点で合計220万HYPE、約1億1560万ドル相当を集めている。Coinglassのデータによると、5月30日時点でBitwiseが約5960万ドル、21Sharesが約5600万ドルを占めた。
これらの買い付けを合計すると、商品の取引開始から最初の1カ月でHYPEの流通供給量の約1%が吸収されたことになる。
注目すべきは、金曜日時点のHYPEの時価総額が約163億ドルにとどまっている点だ。2025年9月にトークンが同程度の価格水準で取引されていた際の時価総額は約180億ドルだった。
Bitwiseの最高投資責任者(CIO)であるマット・ホーガン氏は最近、HYPEの価格が過去最高水準を上回る一方で、市場評価額は過去の高値を下回っているという珍しい市場現象を指摘した。この発言は、HYPEのデフレ的な仕組みと供給吸収の構造を評価したアナリスト、ジョシュ・カーライル氏の見方に反応したものだ。
ブルームバーグのアナリスト、ジェームズ・セイファート氏が引用したSEC提出書類によると、運用資産350億ドル規模のGrayscaleは、ティッカー「HYPG」で新たなHYPE ETFを立ち上げる見通しだ。
CoinMarketCapの調査、RWAトレーダーは24時間365日アクセスだけではない利点を求めていると示唆
CoinMarketCapのRWA無期限先物に関する調査レポートによると、HyperliquidのHIP-3エコシステムはRWA無期限先物市場で2番目に大きな取引の場となっており、5月20日時点で累計取引高は約1190億ドルに達している。
2025年10月のローンチから1年も経たないうちに、Hyperliquidは同セクターの市場シェアの約18%を獲得した。これは、OKXの6%、Gateの5%、EdgeXの4%といった中央集権型の競合を上回る水準だ。
RWA資産のオンチェーン取引では、24時間365日の市場アクセスが主な利点として挙げられることが多い。しかしCoinMarketCapの調査結果は、投資家の取引活動が引き続き従来の市場時間帯に集中している一方で、分散型取引が提供するその他の運用上の利点も享受していることを示している。

CoinMarketCapのリサーチ責任者であるアリス・リウ氏は、週末取引が現在の総取引高に占める割合はわずか8.3%にとどまっていると強調した。仮に1週間を通じて取引参加が均等に分散していれば、週末の割合は28.6%になるはずであり、それを大きく下回っている。
HyperliquidのHIP-3におけるRWAおよびトークン化株式の無期限先物は、通常、基本ティアでメイカー手数料0.03%、テイカー手数料0.09%となっている。これは、残高によっては信用取引の基準金利が10%を超える場合もあるFidelityのような従来型ブローカーと比べ、レバレッジ取引のコストが大幅に低い水準だ。Hyperliquidはまた、市場を柔軟に作成できる機能、より迅速な商品上場、従来の金融取引所に比べて容易なグローバルアクセスも提供している。
Hyperliquidの予定されたトークンアンロックをめぐる懸念が、5月の機関投資家需要の追い風を一時的に弱めたものの、予測市場の動きはより長期的な楽観を反映している。

HYPEが5月を65ドル前後で終えるペースとなるなか、Polymarketのトレーダーは現在、HYPEが2026年末までに70ドルに到達する確率を92%と見ている。80ドル到達の織り込み確率も64%まで上昇している。
興味深いことに、100ドル到達という目標は、織り込み確率が最も低いにもかかわらず、最も多くの投機資金を集めている。この結果に対しては27万2000ドル超が賭けられており、「Hyperliquidは2026年にどの価格に到達するか」というイベントに投じられた約110万ドルのうち、20%超を占めている。



