・ビットコイン(BTC)は8万500ドルを上回って上昇を続ける一方、原油価格は112ドル超の記録的高値圏で推移している。
・先物データでは10億ドル規模のロング偏重が示されており、市場が停戦崩壊の可能性を織り込むなか、強い強気ポジションが形成されている。
・現物上場投資信託(ETF)には2日間で約12億ドルが流入し、上昇相場を支える機関投資家の買い需要を裏付けている。
Bloombergが停戦崩壊リスクを警告、BTCと原油の相関反転に投機筋が注目
BTCは火曜日に8万1298ドルまで上昇し、5月に入ってから約8%上昇する勢いとなった。今回の上抜け局面に入る前、BTCは4月の大半を7万5000ドルから7万9000ドルのレンジで推移していた。市場では、米国とイランの危機に対する主要国の対応や、主要企業の第1四半期決算が意識されていた。危機が続くなか、投機的な取引ポジションやBTCと原油の相関指数には、BTC需要の変化が明確に表れている。
Bloombergが継続中の停戦が崩れるリスクを指摘するなか、ブレント原油は火曜日に112ドルを上回って取引された。前日の月曜日には5.8%上昇し、一時1バレル114ドルに達していた。市場参加者は、米国とイランの軍事的な応酬が再び強まる可能性を注視しており、原油価格は警戒水準に近い高値圏で推移する見通しだ。
報道によると、ドバイ周辺では船舶の滞留が広がっており、ホルムズ海峡を通る航行にも混乱が残っている。さらにフジャイラのインフラへの攻撃により供給懸念が強まり、原油に対する強気の見方を後押ししている。

危機が深刻化するなか、この1カ月でBTCと原油の相関は大きく反転した。TradingViewのデータによると、BTCと原油の相関は4月21日時点のマイナス0.83から、5月5日時点ではプラス0.67まで上昇している。
平易に言えば、相関とは2つの資産が互いにどのように連動しているかを示す指標である。以前のマイナス0.83という数値は、BTCと原油が逆方向に動いていたことを意味する。一方、現在のプラス0.67は、両資産が同じ方向に動きやすくなっていることを示している。
これは、現在のBTC相場が、暗号資産市場固有の材料よりも、マクロ要因による流動性サイクルに左右されている可能性を示している。
停戦リスクが残るなか、先物市場では10億ドル規模のロング偏重
市場が停戦崩壊の可能性を織り込むなか、BTCには強気の投機需要が集まっている。エネルギーアナリストは、特に重要な石油インフラを巻き込む形で緊張が高まれば、原油価格がさらに大きく上昇する可能性があると警戒している。
原油との相関が強まっている現状では、こうした緊張拡大シナリオはBTCにも直接的な影響を及ぼす。

Coinglassの清算マップによると、BTC先物のロングポジション総額は29億9000万ドルで、ショートポジションの19億5000万ドルを大きく上回っている。つまり、強気派は差し引きで10億4000万ドルのロング偏重となっており、現在のマクロ環境のなかで、強気のポジションが弱気のポジションを大きく上回っていることを示している。
強気材料としては、これは市場の強い信頼感を反映しており、勢いが続けばさらなる上昇を後押しする可能性がある。ただし、同時に下落リスクもある。価格が急反転した場合、積み上がったロングポジションが連鎖的な強制清算を引き起こすおそれがあるためだ。
強気シナリオを支えているのは、デリバティブ市場でのポジション積み上げだけではない。現物ETFを通じた需要も明確に確認されている。Farside Investorsのデータによると、ビットコインETFには月曜日に5億3200万ドルが流入し、金曜日の6億2980万ドルに続く大規模な資金流入となった。
BTC価格予測:予測市場は8万5000ドル突破に傾く
火曜日に原油が113ドル近辺で取引されるなか、予測市場のポジションを見ると、トレーダーはBTC価格のさらなる上昇を見込んでいる。ただし、その見方には一定の慎重さも残っている。
Polymarketでは、BTCが5月末までに8万5000ドルに到達する確率が61%とされている。この確率は日中で10ポイント上昇しており、短期的に最も可能性の高い目標価格と見なされている。一方、9万ドル到達の確率は25%にとどまっており、現在の勢いを超えて急速に上抜けるシナリオには、一定の懐疑的な見方も残っている。

下落シナリオについては、見方が一方向に傾いているわけではない。地政学的な不透明感を背景としたヘッジ需要を反映し、7万5000ドルまで下落する確率は51%とされている。ただし、より深い下落の可能性は限定的と見られており、7万ドルまでの下落確率は23%、6万5000ドルまでの下落確率は8%にとどまっている。
こうした分布は、市場が強気寄りに傾いている一方で、原油や地政学リスクといったマクロ要因に起因するボラティリティも引き続き織り込んでいることを示している。



