暗号技術スタートアップのSuccinct Labs(サクシンクト・ラボ)は米時間4日、同社のゼロ知識仮想マシン「SP1」が大手暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)が立ち上げたEthereumレイヤー2(L2)ネットワーク「Base」のセキュリティ基盤に採用されると発表した。
BaseはTEEと呼ばれる安全な実行環境とゼロ知識証明(ZK証明)を組み合わせたシステムに移行し、Ethereumメインネットへの出金時間を従来の最大7日程度から1日程度へ短縮することを目指す。
SP1は、Succinct Labsが開発するオープンソースのゼロ知識仮想マシン。Rustで記述されたプログラムなどの計算結果についてZK証明を生成でき、ロールアップやブリッジ、アプリケーションが独自の証明インフラを構築せずに、ZK証明によるセキュリティを導入できるよう設計されている。
従来Baseが採用していたOptimistic Rollup(オプティミスティック・ロールアップ)では、不正な取引がないかを確認するために一定のチャレンジ期間が設けられており、Ethereumメインネットへの出金には最大7日程度かかることがあった。リリースによると、ZK証明を使うことで、計算結果の正しさを暗号学的に検証できるため、こうした待機期間を短縮しやすくなるという。
Succinct Labsの最高成長責任者であるBrian Trunzo氏は、BaseによるSP1採用について、ZK証明がEthereumスケーリングの最終形であることを示す大きな信任だとコメントした。経済的なインセンティブに依存する仕組みを、数学的な証明に置き換えることができるとしている。
Base Chain責任者のWilson Cussak氏は、Baseはすべての人がオンチェーンで活動するための拠点として構築されており、ネットワークの成長に伴ってインフラの強化が必要になっていると説明。ZK証明の導入は、Baseのセキュリティとレジリエンスを高める重要な一歩だと述べた。
|文:平木昌宏
|トップ画像:Succinct公式ホームページより(キャプチャ)



