酒蔵からの「関与否定」相次ぎ──日本酒商標NFT「Sake World酒蔵投資」が事業終了

商標権の持分をNFTとして販売するプロジェクト「Sake World酒蔵投資」の提供を即日終了すると、運営元のリーフ・パブリケーションズが4月30日に発表した。

SNS上でプロジェクトに対する疑義の声が拡散したことや、関係酒蔵からの信頼を失ったことによる措置となる。

同プロジェクトは、商標権「Sake World」の共有持分をNFTとして小口化し、1口5500円から販売する仕組みだった。

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集まった資金は、グループ会社のSake World牧野蔵が出荷するブレンド日本酒の製造等に充てられ、購入者には出荷量1ミリリットルあたり0.3円(配当は暗号資産)のロイヤリティが50年以上にわたって配当される計画だった。

[サービス開始時のリリースから]

同社は外部法律事務所の確認を経た上で、本事業を開始したとしている。

プロジェクト終了の引き金となったのは、SNSでの指摘と、掲載酒蔵への事前の説明不足だった。

4月28日、X上でインフルエンサーが、サイト上に掲示された非現実的な高利回り(6年目以降で目標年次利回り約35%、21年目以降で約85%等)のシミュレーションを指摘し、詐欺の疑いがあると言及した。

さらに、サイト上に「協力酒蔵一覧」として掲載されていた55の酒蔵に対する説明の欠如も深刻な事態を招いた。

同社は過去の事業を通じて原酒ブレンドの了承を得ていると認識していたが、今回のプロジェクトに関する詳細な説明や事前同意を得ていなかった。

同社が十分な確認プロセスを経ずにリストを掲載した結果、酒蔵側からプロジェクトへの関与を否定する発信が相次いだ。

X上では、松井酒造(京都)や香坂酒造(山形)が「事前に詳しい説明を受けておらず、内容について感知していない」旨の声明を発表。天鷹酒造(栃木)も関与を否定した上で、運営元から謝罪と削除連絡を受けたことを報告した。

さらに、ハクレイ酒造は公式ホームページ上で詳細な見解を公表した。過去の製品取引の実績が今回の投資プロジェクトへの協力や名称使用の許諾を意味するものではないと指摘し、「関与・推奨しているかのような誤解を招く掲載は意図に反する」と強い不快感を示した。

こうした関係各所からの信頼失墜が決定的となり、事業の継続が事実上不可能となった。

同社は詐欺の意図を明確に否定しつつも、自社の過失を認めている。今後は全額返金の手続きを進める方針を示している。

|文:栃山直樹
|写真:リーフ・パブリケーションズ代表・中川真太郎氏(2025年7月「My Sake World京都河原町店」にて、記者撮影)

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